稲沢市議会議員、しち おう(志智 央)です。
前回に引き続き、一泊二日で参加させてもらった先進地の視察報告です。二日目は、長野市の児童発達支援センター「にじいろキッズらいふ」です。
支援が必要な子どもを取り巻く状況
まず、直近10年間で小中学校の児童生徒数は1割減少しました。一方、特別支援教育を受ける児童生徒数は倍増しています(2012年に児童生徒数は1040万人でしたが、2022年に952万人に。比率にして、2012年に2.9%であったのが、6.3%になりました)
つまり、特別な支援を必要とする子が増え続けており、小中学校およびその他の場所でのサポートが急務となっています。その役割を担う長野市の児童発達支援センター「にじいろキッズらいふ」にはさまざまな特徴、あるいは障がいのある子が通っていて、定員61名の枠は満員。相談件数も半年で1300件を超えていました(それだけニーズがあると言うこと)
「にじいろキッズらいふ」の特徴
施設を見回らせてもらいながら、ぼくが特徴的だと特に感じたのは三点。
⑴ 専門職の配置
⑵ 保育所等訪問支援事業の積極的実施
⑶ 家族支援
⑴ 専門職の配置
リハビリの専門職でぼくの職種でもある作業療法士が常勤。各児童と2〜3ヶ月に1度面談をして、対象児の特徴を把握。発達の段階に合わせて必要な支援を行っています(役割分担もなされていて、作業療法士が児童を評価→保育士が具体的な療育手法を立案するなど)
⑵ 保育所等訪問支援事業の積極的実施
保育園や学校に在籍する子の支援のために、職員が園などを訪問する取り組みがあります(保育所等訪問支援事業と言います)
この取り組みを推進し、児童発達支援センターに通う子どもを保育園や学校に移行する、その橋渡しを積極的に行っています。2022年実績で39名の児童に対し、246回訪問していました(保育所等149回、小学校97回)
⑶ 家族支援
「にじいろキッズらいふ」では、支援センターと家庭とが共同で支援を行うことを重要視していて、月1回の参観日が設けられています。それ以外の時も、「365日、いつでも参観日」をコンセプトにしていて、センターと保護者が近い関係性にありました。
また、家族の負担軽減のため、延長預かりや土曜日の開園、保護者参加行事の開催、会議室を親の会活動に開放する等も行なっていました。
↑ 病院勤務時代、発達障がいの子どものリハビリもしていたので、ボールプールなどを見ると懐かしくなる…。
↓ 支援センターの職員さんに「稲沢市が今後センターを作る時の参考にしたい」と伝えていたので、「収納が多くあった方が良い」など、色々とアドバイスを頂きました。
稲沢市への応用
なぜ児童発達支援センターを視察したのかと言うと、国の指針(児童発達支援センターを各市町村に少なくとも1カ所以上設置すること)に基づき、稲沢市でも児童発達支援センターを設置する動きがあるからです。
児童発達支援センターは、発達に遅れがあったり、障がいがあったりする子どもの通所施設で、基本動作の指導や集団生活への適応訓練、家族への支援などを行う役割があります。
この役割自体はすでに「ひまわり園」にて行われていますが、施設の老朽化、手狭で出来ることが限られている状況を鑑みて、支援センターの新規開所が計画されています。
その前に、「実績のある支援センターを見て、今後に生かしたい!」となったわけ。
今回視察して特に「専門職の配置」は、医学的な根拠に基づいた児童発達支援を行えることに繋がるため、こだわりたいポイントに感じました。
また、ソフト面だけでなく、ハード面の整備としても、児童が集中できるように感覚刺激の少ない部屋、感覚刺激を提供できる部屋、さまざまなタイプの遊具を用いて発達支援を行う部屋など、用途に合わせて複数の部屋を整備する必要があると感じました。
視察で学んだことを担当課と共有しながら、より良い児童発達支援を稲沢で行えるようにしたいです。
以上です。「視察」って何しているの?ってよく分からないと思うので、「こういった目的で参加して、こういったことを学んでいます」が少しでも伝われば幸いです(視察はほとんどの議員が参加しているので、機会があればそれぞれの人の視点について聞いてみて下さいねー)
forms.gle稲沢市議会議員 しち おう/志智 央
Facebook:https://fb.com/shichioh
Twitter:https://twitter.com/shichi_oh
Instagram:https://www.instagram.com/shichi.o/
phone:090-4239-4726
mail:shichioh@gmail.com