稲沢市議会議員 しちおう ブログ

不登校を経て、作業療法士として病院に勤務、現在は稲沢市議会議員として活動する「しちおう」のブログです。

長野県塩尻市〜AI活用型オンデマンドバスで持続可能な地域公共交通をつくる〜

稲沢市議会議員、しち おう(志智 央)です。

先進的な取り組みをしている市町村を訪ね、その秘訣を聞き、稲沢市に生かす「行政視察」に参加したので、その報告をします。初日は長野県塩尻市です。

ワインが名産で、駅にぶどう園がありました。す、すごい!

行政視察報告第一弾 塩尻市【AI活用型オンデマンドバス

塩尻市では稲沢市と同じようにコミュニティバス(すてっぷくんと言います)が走っています。しかし、利用者の減少や運転士の高齢化、担い手不足等が深刻化し、サービスの抜本的な改善が必要となっていました。そこで考え出されたのがAI活用型オンデマンドバス「のるーと塩尻」です。

「のるーと塩尻」とは

利用者が乗りたい時にアプリもしくは電話で呼べる新しい乗合バスのこと。

AIシステムが乗合いの状況や道路の状況に応じて効率的な運行ルートを提案。市内に複数ある乗降地から目的となる乗降地まで移動できるようになっています。

簡単に言うと、「のるーと塩尻」は路線バスとタクシーの中間的サービスです。

 ・アプリによる配車予約(電話も併用中)
 ・AIが乗合状況や道路状況等に応じ、効率的なルートを作成
 ・利用する出発地、目的地周辺での乗り降りが可能(ドアtoドアではない)
 ・小型バスできめ細やかに乗り合い運行
 ・金額はバス以上、タクシー以下(すてっぷくんは100円、のるーとは基本200円)

特別な免許を必要としないハイエースを使うことで運転士不足を解消。AIによる効率的な運行ルートになり、依頼から約15分で乗降地に来るなどタクシー並みの待ち時間で運行できています。しかも、利用料金は7kmまで200円(7km以上は400円)

また、75歳以上や中学生以下、障害者と介護者は半額の100円にするなど、さまざまな事柄を適宜見直しをかけることで、利用者満足度の向上、利用者数増、そして運行エリアの拡大といった好循環を図っていました。

 

さらにすごいのは、自動運転の実証実験もしていて、これらを組み合わせて持続可能な地域交通を手探りしていることです。塩尻市稲沢市の約半分の人口ですが、大きな目標を持って、誰も歩んでいない道を開拓しようとしていました(自動運転の実証実験などに関わりたくて、愛知県から移住した職員もいた)

稲沢市への応用

今、コミュニティバス含め、地域交通は持続の可否が問われているんですよね。稲沢市もそれは同様で、コミュニティバスの運行に際して利用者の減少や運転士不足に悩まされています。

稲沢市は、コミュニティバスコミュニティバス接続便、75歳以上らへのおでかけタクシーを併用して移動を支援していますが、利用者の減少率や公費負担の増加率を見るに、この形が持続可能な公共交通の最適解ではないと感じます。

 

その際、このAI活用型オンデマンドバスは選択肢の一つであり、たとえば市中心部をオンデマンドバスで運行し、市中心部と周辺部とをコミュニティバスで繋ぐような形などを検討する必要があります。

「今」と大きく異なるシステム、路線図になるでしょうけど、それは後退ではなくて、50年後も老若男女の人々が移動しやすい町を作るための前進なのだろうと思います(「のるーと塩尻」では使い勝手が良いために通勤で使う市民もいる)

 

なにより。「このままじゃダメだ」「持続可能な公共交通じゃない」と、自動運転やAIの活用など全く新しい挑戦に踏み出した塩尻市の姿勢を、稲沢市は真似しなければならないと感じました。

 

一泊二日の視察だったので、続きます。

最大限勉強をしようと、市役所から駅まで「すてっぷくん」を使って移動しました(100円は安いなぁ…)

稲沢市議会議員 しち おう/志智 央
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