稲沢市議会議員のしちおうです。
稲沢市では、毎年12月に社会科の特別単元「ふるさと新発見学習」の発表会があります。
・ふるさと新発見学習とは
「見つめ直そう!わたしたちの稲沢市」として、中学2年生が生まれ育った稲沢市について、自らテーマを決め、調査活動を行なう。
2015年より始まった事業で、作成されたレポートを基に意見交換する中で、稲沢市の課題や良さに気付き、よりよいまちづくりに向けての提言をまとめていく。
例年6月頃から準備を始め、市のパンフレットや昨年度の冊子、先輩が作った掲示物などを参考にしながら自分のテーマを決め、夏休みに実際に現場を見たり、インターネットや文献を調べたりする。
夏休み明けに、クラスメイトと意見交換や発表会を行って学校の代表を選定。
12月に表彰と発表会がある。
この発表会では、毎年、若者ならではの視点で稲沢市の何を課題と感じ、どのように解決すれば良いと考えているのかを提言してくれるので、議員としてもとても勉強になり、楽しみにしています。
昨年は新型コロナウィルス感染症の影響を受けて、残念ながらぼくら議員が発表を聞くことは出来なかったので、久しぶりの参加。気になったものをピックアップして、ご紹介します。
・人口減少に歯止めを〜ワークライフバランスのまち✖️稲沢の魅力〜
2021年の優秀賞の一つ。
日本で少子高齢化による人口減少が問題となる中、稲沢市も例外ではないという気付きから、調査活動をスタート。
国の資料(国民意識調査)を見ると、人が移住する理由は、⑴ やりたい仕事があるから、⑵ 住環境に魅力を感じたから、⑶ 通勤・通学に便利だから、など”仕事”がキッカケとなっていた。
そのため、「産業を活性化し、稲沢でできる仕事を増やせば、他の町に住んでいる人が稲沢市に住もうと思ってくれるのではないか?」と仮説を立て、検証をしてくれました。
検証ではまず、⑴ 稲沢市の産業の特徴、⑵ 稲沢市の産業の課題、⑶ 稲沢市民の生活環境に対する満足度、⑷ 稲沢市のまちづくりの取り組みを調査。
市の発行する資料を紐解き、「稲沢市では製造業が盛んである一方で、若者や女性の就業希望が多い第三次産業(サービス業)が減少し、市内に雇用の場が不足している」と分析。
国が推進する”ゆとりをもって私生活と両立できる働き方「ワークライフバランス」”と絡めて解決策を提言してくれました。
⑴ ワーク:サテライトオフィスの設置勧誘
・サテライトオフィスとは
企業や団体の拠点から離れた本社よりも通勤しやすい場所などに設置された、本社と同様の仕事ができるような比較的小さなオフィス
稲沢市は名古屋からのアクセスがよく、駅や主要部周辺から少し離れれば、のどから田園の風景が広がる。ICT環境やオフィスの整備を整えた建物を建設し、企業側の参入障壁を減らして、新規事業者の誘致、雇用促進を図る。
⑵ ライフ:スポーツによるまちづくり〜私生活に健康と休息を〜
稲沢市には、バレー、バスケ、ハンドボールのクラブチームがある。
スポーツだけでなく、買い物や食事、レジャーを楽しむことができる”ボールパーク”を建設し、人が集まる場所を作ることで、企業等の会議、ビジネスイベントの誘致も見込む。
⑶ 稲沢市の魅力をもっとアピール
・YouTubeの動画広告や、TikTok、Instagramのリールなど気軽に見られる短い動画で、スポーツ選手がPRしたり、企画動画を作ったり、試合の名場面を切り取ったりした動画を流し、若い世代にアピールする
・YouTubeによる稲沢の広告動画を募集し、コンテストを開く。コンテストに優勝した人は、自身の知名度も上がり、キャリアとなる
以上の案などを通して、市内のワークライフバランスを推進。住みたくなる町、暮らしやすい町を作り、人口減少に歯止めをかける。という提言でした。
まとめるにあたり、稲沢市の小難しい資料に複数目を通し、読み込んだことが伝わりました(でないと、出てこない提言だったと思う)し、現地調査(市内クラブチームの試合を実際に見に行ったそう)もしていました。これらの過程がなにより大切で、大人になっても使う思考・取り組みのプロセスを学び、将来に繋がると感じました。
2021年の入賞作品も、力作揃いですばらしかった。
賞に選ばれた子も、そうでなかった子も頑張ってくれて、ありがとう。
本当にお疲れ様でした。