稲沢市議会議員のしちおうです。
新型コロナウィルス感染症対策をテーマに、議会で登壇してきました。
今回は会派(議会内のグループ)の意見も集約して質問&提案。一部を紹介しますね。
学校の新型コロナウィルス感染症対策
❶ 感染症の予防
(しち)
学校は三密が避けづらいけれど、どのように感染症予防をしていくのかな?
(答弁)
①毎朝の家庭での検温
②学校でのこまめな手洗い
③マスクの着用
④三密回避
密閉→エアコンと扇風機を併用し、常時2か所以上の窓を開ける
密集→体育館での全校集会を校内放送で実施、密集が避けられない水泳指導を中止
密接→人との距離をとる指導、給食を全員自席で前向きで食べるなどの工夫
⑤教職員による消毒
子どもが下校した後、毎日、教職員でドアノブ、取っ手、電源スイッチ等、不特定の人が触る箇所を消毒。
(しち)
ある自治体の学校給食で、感染予防のために卓上シールドが使われていたよ。
(イメージ)
子どもたちは、「友達の声が聞こえにくい」「箸が当たって食べにくい」と不便さを感じながらも、感染予防のためには仕方ないと協力してくれていた。
でも、感染症の専門医曰く、そこまでやる必要は無く、食前の手洗い、うがいの徹底が重要と話していたんだ。日本全国いろんな学校で、いろんな感染症対策が行なわれているけれど、その手法が効果的なのかどうかは、充分に検証されていないと感じたよ。
感染予防のすべてに取り組めればいいけれど、時間的にも、金銭的にも、無理。そんな時に必要なのは、現時点で科学的根拠のある手法を優先的に行なうことなんだ。
専門家の助言を求めて、教員をサポートしたらどうかな?
感染予防の基本的な方策は、文科省からの通知文に示されている。
より具体的な内容は、学校医や学校薬剤師のアドバイスを受けて進める。
ぼくも通知文を読んでみたけれど、現場の運用の中で疑問点は出てくると感じたよ。
市民病院には感染症の認定看護師がいるよね。ここと連携できないかな?と、市民病院に相談したら、快く引き受けてくれたよ。各学校の課題を、教育委員会で取りまとめて、認定看護師のアドバイスも受けながら感染予防に努めてほしいな。
あとね、基礎疾患のある子などは、感染リスクが高いために自主的に学校を休んでいるよ。そうした子が安心して学校に通えるように、これからも取り組みを積み重ねてね。
❷熱中症の予防
中には、通学に50分ほどかかる子がいて、真夏に、小学1年生になったばかりの、体力が付いていない子が安全に通学できるか、不安が残る。
地域のお店が水を提供してくれたり、スクールガードが自費でペットボトルを用意してくれたりもしているのだけど、これを現場の努力だけに留めずに、行政としてもサポートしていく必要があるんじゃないかな?
下校する前に水分補給をしたり、家までの距離が遠い場合は途中で立ち止まって給水所を設けるなど、学校に指示していきたい。
(しち)
その他の熱中症対策として、通学の負担を極力減らすために置き弁を推奨すること、日傘を差しての登校や中学生の自転車通学を拡充すること、通学時のマスク着用は臨機応変にすることを考えたれど、導入できそうなものはあるかな?
日傘の使用や置き勉については、教育委員会から各小中学校に通知を出した。
熱中症などの発生が懸念される場合は、児童生徒間の距離を十分に保った上で、マスクを外す対応も周知していきたい。
(しち)
マスクをしていない人に対して「なぜマスクをしないのだと」非難する人もいる。子どもたちがそうした声の被害に遭わないように、感染症予防策と組み合わせた上でマスクを外す時もあると、学校外の人にも周知してね。
❸学習の遅れへの対応
(しち)
休校中の学習の遅れを取り戻すため、勉強の速度についていけない子が例年以上に現れたり、教員が今以上に多忙になったりすることを心配しているよ。
国の第二次補正予算を見ると、加配教員やスクールサポートスタッフの追加配置が盛り込まれていたけれど、利用したらどうかな?
例年通りに授業を進めれば、本年度分の教育課程を終了できる見通し。
したがって、加配教員等を追加配置する予定はなし。
ただ、スクール・サポート・スタッフは、授業以外の消毒等も任せられるから希望していきたい。
プラスワン(高学年の授業が終わるまで、低学年を教室に留め置き、一斉下校する制度)では授業内容に触れないことが原則だけれど、今年度だけ特例で、授業の復習を行なって学習進度に付いていけない子をフォローしてもらえないかな?
子どもの負担にならないよう配慮しながら、プラスワンの時間を活用して、個別に補習することも含め、柔軟に対応していきたい。
❹学校再開に伴うその他の課題
(しち)
長期休暇明けは子どもの自殺が増える。今回の休校明けは例年以上に大きな影響がありそうだけれど、子どもたちの精神的ケアや相談体制の強化が必要じゃないかな?
学校を段階的に再開し、分散登校することで教職員の目が行き届きやすいようにしたり、授業時間を短くして、子どもたちが徐々に学校生活のリズムを作れるよう配慮、心配事を聞く時間も確保できるよう工夫した。
ぼくもそうだったけれど、スタートは切れる、でも、途中で息切れしてしまって学校へ行けなくなる子もいると思う。継続的に子どもたちの状態を気にかけ、スクールカウンセラーをはじめとした専門職と連携してほしい。
(しち)
感染拡大の第二波が起きて、再び休校せざるを得なくなった場合、これまでと同様にプリントによる自宅学習が中心になるのかな?
その通り。
ただ、第二波を想定し、ケーブルテレビ局とともに授業のサンプル動画を収録。準備を進めている。
(しち)
オンライン学習を行なおうとすると通信環境が必要だけれど、実態調査の結果は?
地域性や学校規模を考慮して、小学校4校、中学校2校を抽出、調査した結果、小学校:96.7% 中学校:99.1%の普及率。
(しち)
稲沢市は今年度末までに、タブレット端末を一人一台導入することを検討しているね(“GIGAスクール構想”という国の政策が、前倒しされることになったため)
でも、第二波には間に合わないかもしれない。
インターネット普及率を見ると、現段階でも一部のオンライン授業に取り組める。
今のうちに、ネット普及率だけでなく、通信環境の質的な評価や、日中に子どもが一人で使える端末を持っているのかなどを調べたり、試験的に朝礼や授業に取り組んでみたりして、準備をしてほしい。
これらのことは、新型コロナウィルス感染症対策のためでもあるけれど、オンライン学習や授業のアーカイブ化が進めば、事情があって学校に来られない子の学びの保障にもなるから、取り組んでほしい。
長文だったのに、最後まで目を通してくれて、ありがとうございます。
最終登壇者だったので、重複している質問内容をカット。ブログでは、つじつまが合うように修正しています。正確な議事録や映像は、後日ホームページにアップされます。
感染が落ち着いている今だからこそ、これまでの期間の取り組みを精査し、これからの期間に備えるための準備が必要です。そのための議論の場である議会ではなにが話し合われているのか、すこしでも伝わると嬉しいです。
稲沢市議会議員 しち おう/志智 央
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