稲沢市議会議員 しちおう ブログ

不登校を経て、作業療法士として病院に勤務、現在は稲沢市議会議員として活動する「しちおう」のブログです。

【2024年12月議会報告】赤字の稲沢市民病院を救え〜病院経営強化プラン〜

稲沢市議会議員のしちおうです。

あっという間に年末を迎え、もう大晦日に片足突っ込んだ状況にビックリしています。

本日のブログでは、先日の議会登壇のふり返りの最終回をお送りします。テーマは「市民病院の経営」です。

背景

市民病院の経営状況は、2017年〜2019年まで赤字。2020年〜2022年まではコロナ関連の補助金で黒字化。しかし、本質的な経営改善には至らず、2023年に再び約6億円の赤字に転落しました。経営状況を好転させるため、医療者としての質問・提言を行いました。

転倒骨折センター

経営強化の柱の一つで、2022年に新設された転倒骨折センターへの質問

・しちおう

高齢になると、手足の筋肉の衰えや、バランス機能の低下などから転倒しやすくなる。

転倒・転落による死者は、実は交通事故の死者の約5倍超。亡くならないまでも、骨折を機に寝たきりになったり、活動性が低下して認知症が悪化したりするケースがあるんだ。

 

転倒骨折センターは、緊急入院から手術、術後管理、リハビリ、再骨折の予防、在宅復帰支援までをトータルサポートする病棟だ。現在の状況は?

・市民病院

新規入院患者数は、2022年度:69人、2023年度:67人、2024年度10月末現在:75人。

一月当たりの手術件数は、2022年度:60件、2023年度:56件、2024年度10月末現在:65件と、堅調に推移している。

今年度、転倒骨折センターの充実に向けて、整形外科医を1名増員し、体制を整備している。

・しちおう

ここ数年で順調に数値を伸ばしてきているけれど、コロナ禍前と比較すると、手術件数に大きな開きがある(2018年と2023年の5年間で、整形外科は86件。脳神経外科は135件減)

特に脳神経外科の落ち込みが著しい。この部分の評価・分析・改善が必要だよ。

 

転倒や骨折は繰り返す傾向にあって、転倒・骨折の経験がある方は、未経験の方と比べてリスクが2倍〜4.4倍と言われているんだ。

だから、再骨折の予防はとても大切で、転倒骨折センターから在宅復帰される方を訪問看護ステーションが引き継ぐことが必要なんだ。それが収益にも繋がる。現在の状況は?

・市民病院

訪問看護ステーション「あしたば」では、2023年度に1名の受け入れがあったが、今年度は受け入れがなかった。

・しちおう

想像以上に少ないよね。訪問看護によるアフターフォローで、在宅復帰後の生活までをも支えられるように、取り組んでね。


老年内科

同じく経営強化の柱の一つ、2019年に新設された老年内科への質問

稲沢市民病院の老年内科では、認知症の診断、症状ごとの治療、認知症認定看護師による家族相談外来などをしているね。現在の状況は?

・市民病院

一月当たりの外来患者数は、2022年度:274件、2023年度:249件、2024年度10月末現在:268件と堅調に推移している。

近隣で老年内科として診察している総合病院が稲沢市民病院だけということもあり、外来患者、初診患者の割合ともに増加。需要が高まってきている。

 

・しちおう

老年内科の発展のために、長野県松本市立病院の「フレイル外来」を紹介したい。

松本市立病院では、医師や理学療法士らが、要介護一歩手前の状態(フレイルと言います)の原因を探り、それぞれに合った方法で改善を図っているんだ。

具体的には、個別の運動メニューを作成したり、担当の理学療法士らが電話で励ましたりしながら、三ヶ月後の診察で状態改善を目指す→ 結果、要介護一歩手前の状態から脱するなどの効果が出ていて、大変好評みたい。

老年内科の強みが生かせる取り組みだけど、導入できないかな?

・市民病院

松本市立病院のような多職種で連携する「フレイル外来」を新たに設置するには、医師に加え、管理栄養士や理学療法士が必要。現在の人員で対応することができないため、フレイル外来を設置する予定はない。

・しちおう

老年内科に新たな医師に来てもらうにしても、特色ある取り組み無くしては来てもらえないよね。是非、フレイル外来の導入に向けて検討してね。

 

市民病院のPR

他にも、専門的な質問をいくつかしつつ(医師の確保、かかりつけ医から市民病院への患者の紹介率向上、特定行為看護師、他病院との連携、クリニカルパス、病児・病後児保育)、最後に市民病院のPRについて質問しました。

・しちおう

稲沢市民病院では年に二回、市民を対象とした公開講座を開いているね。

市民病院の入院患者分布図を見ると、隣接する清須市あま市からも患者が来ている。市民公開講座の案内を市外にも行うことで、将来的な患者の獲得に繋げてはどうかな?

・市民病院

市民公開講座では、参加される方々に身近な話題を提供することを念頭に置き、「フレイル予防」や「骨粗鬆症」などをテーマに開催。講座の前には、骨密度の測定や健康相談など、より参加者が楽しめる催しも行い、好評頂いている。

 

今後は近隣地域の皆様にも市民病院を知って頂けるよう、毎月発行している「病院NEWS」を広報紙やSNSなどで紹介したり、イベントの案内チラシを新聞の折り込みに入れるなどの広報活動を積極的に行っていきたい。

・しちおう

病院NEWSは市民病院の職員が手作りしているけど、ものすごく素晴らしい出来。是非多くの人に見てほしいよね→ 広報いなざわで取り上げたり、市内外に新聞広告で出すことを提案しました。

以上です(構成の都合上、砕けた言葉遣いを用いていますが、実際は丁寧な言葉遣いで議論しています)

最後まで読んで下さって、ありがとうございました!なんとか年内にまとめが間に合って、良かったです(笑)

 

明日は、子どもたちの学習支援教室「領内寺子屋」です。遅くなったクリスマス会の準備でバタバタしていますが、走り抜けますー!みんな、来てねー!!

稲沢市議会議員 しち おう/志智 央
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