稲沢市議会議員 しちおう ブログ

不登校を経て、作業療法士として病院に勤務、現在は稲沢市議会議員として活動する「しちおう」のブログです。

稲沢市民病院の医療ミス(患者のがんの見落とし)

稲沢市議会議員のしちおうです。

本日より6月議会が始まりました。

今回の主な内容は、稲沢市民病院で起きた① 医療ミスの報告と、補正予算(年度当初に想定していなかった収入・支出があると、議会に報告と承認するかどうか聞かれる)の審議、③ 新しい事業の提案です。

②、③は未確定なことも多いので追々報告するとして、今日は①について書きます。

稲沢市民病院の医療ミス

・経緯の概要

2019年8月 個人医からの紹介で男性が市民病院を受診。

内容は胸部レントゲンにより肺に異常陰影が確認されたため、精査をしてほしいとのこと。

市民病院で胸部CT検査をするが、異常なしと診断される。

 

2020年3月に今度は肝臓の異常により他院から市民病院を紹介受診。

胸部・腹部のCT検査を行ない、肝臓の腫瘍のみならず肺に腫瘤があることを確認。

2019年8月の胸部CT画像を見直したところ、見落としが判明した。

(個人医からの紹介受診の場合、画像の確認は医師1名で行っていた)

 

市は過失を認め、慰謝料として100万円を支払うことで示談が成立した。

医療ミスを起こしてはならないことは言うまでもありませんが、本事案が問題なのはそれだけでなく、医療ミスを防ぐための手立てが不足していたことにあります。

人にミスは付きものなので、人為的なミスをあらかじめ想定して対処していく必要があります。なので、2名体制で確認するダブルチェックは基本、ですよね。それが出来ていなかったことが非常に残念ですし、市民病院を信じて来て下さった患者さんに申し訳ないです。

 

稲沢市は2020年に医療事故を2件報告しました。ただでさえ、患者の少ない市民病院においてこのような事故、ミスが続くのは地域に根差した病院として大きく信頼を損ねるものです。

再発防止策として、医師2名での確認の徹底。外部の委託業者によるチェックが行われることになりました。ぼくからは、それに加えて、AIを用いた画像診断支援(さまざまながんに対して、画像診断補助を中心に、AIが活用され始めている)等の提案を行ないました。

 

稲沢市民病院では2022年10月より高齢者の骨折・外傷に特化した病棟(転倒骨折センター)を開こうとしています。信頼を回復し、多くの患者の健康に資することが出来るように、今回のミスを教訓にしてほしいと切に願っています。また、そうなるように、議員として、医療者として、監視していきます。

 

一生懸命、地域医療のために尽力している医師、看護師をはじめとしたコメディカル、事務方も知っているので、次こそは市民病院のいい部分を報告したいです。本当に。