稲沢市議会議員 しちおう ブログ

不登校を経て、作業療法士として病院に勤務、現在は稲沢市議会議員として活動する「しちおう」のブログです。

稲沢市消防のハラスメント等被害の訴えについて

稲沢市議会議員のしちおうです。

今朝の中日新聞尾張版に、昨日の議会登壇(一般質問と言います)の内容が掲載されました。

内容は、稲沢市消防のハラスメント問題を受けて設置された防止委員会に、外部の専門家を追加する旨の答弁がなされたというものです。

経緯

稲沢市消防署のハラスメント等の被害相談については、5月23日付けの中日新聞で報道され、27日の総務委員協議会で消防長から報告がなされました。

事の経緯としては、今年2月に複数の消防職員からハラスメント等の被害の訴えがあり、3月に防止委員会が立ち上がりました。これから年末をめどに関係者らへの聞き取りや事実認定、処分の検討を行い、市の規定に基づいて公表されるというものでした。

 

懸念

「防止委員会が設置されて、調査が進むから一安心」と思われるかもしれませんが、私には一つの懸念がありました。それは防止委員会の委員構成が消防本部の管理職と人事課職員に限定されていることです。



内部の人間だけで構成されたことは、防止委員会の要項第8条に規定によるものなのでルール通りではあります。一方で、
今回の被害訴えの中に管理職によるハラスメントも含まれていることを鑑みると、たとえ調査が終わったとしても身内による調査だから甘い公平性が担保されていないという疑義が生じかねず、再調査を余儀なくされる可能性もあります。

このことから三者機関による調査が必要では?と消防長に問いました。

 

消防長の見解

消防長からは、「第三者機関による調査は、高度な専門性が求められたり、社会的に重大な事案であったりすれば、設置する必要があると思うが、今回の訴えにはまずは内部の防止委員会での調査審議を経た上で、必要があれば対応する」との回答に留まりました。

 

→ 納得のいく答弁ではなかったため、第三者機関の調査が必要と考える理由を補足しました。

① ハラスメントのアンケート

消防職員の訴えは今年2月にあり、防止委員会が立ち上がったのは3月ですが、実はそれ以前、昨年7月に消防職員に対してハラスメントに関するアンケートが行われていました。

結果は、パワハラがないが、117件。あったが17件。中には、被害によって「死にたくなった」と回答した方も3件ありました。

これに対し消防は、現在進行形と判断できるハラスメントは確認できていないとし、追加調査は行わず、主査職以上を対象とした研修会の開催を行うだけでした。


② 対応の遅さ

さらに、防止委員会の設置は3月ですが、実際に関係者のヒアリングが始まったは、6月6日でした。第一段階のヒアリングに入るまでに3ヶ月を要しており、現在の体制での調査が充分に進められていないことが伺えます。

③ ハラスメントに対する意識の差

そもそも、ハラスメントのアンケートに「死にたくなった」と記載があるのは非常に重く、すぐにでも調査を始めるべきでした。しかし、それをしなかった。

今年3月の人事異動では、ハラスメントの被害の訴えをした職員と訴えられている職員とが近しい部署になるなど、ハラスメント対応の基礎中の基礎が守られていませんでした(事実確認前であっても、加害者と被害者の接触の機会を可能な限り減らす配慮が必要)

このことから、改めて三者機関による調査が必要であると市長に投げかけました。

 

市長の見解

市長からは冒頭、「死にたくなった」というアンケートの結果や、ヒアリングの遅れについての情報が自身にあがっておらず、対応が遅れたことに対して、お詫びがありました。

そして、「防止委員会の委員は、内部事情や制度に精通していることから消防職員と人事課職員で構成したが、充分な結果を得られないとの懸念は理解できるため、現在の防止委員会に外部の専門家などを追加することも含め早急に検討していく」と回答がありました。

 

所感

三者委員会の設置には至れませんでしたが、これまでの答弁とは異なる「防止委員会に、外部の専門家を追加する」まで進むことができました。

議会では他にも、アンケートを今後も継続して声を拾うこと、それを消防だけの問題とせずに市役所や市民病院でも真似すること、ハラスメント対策で一歩先をいく市民病院(臨床心理士を置いたり、外部相談窓口を設けたりしている)の取り組みを全庁的なものにすることなども提案しました。

 

消防の職員さんは、日夜、命懸けの任務に取り組んでくれています。これは大げさではなく、死傷者の出るほどの大きな火災現場で、火傷しながらも市民のために尽力された方々がいることを私は知っています。

だからこそ、昨今続いている消防での不祥事含め、ハラスメントを根絶し、彼ら彼女らが働きやすい職場を作ることが必要です。それは、ひいては市民の安心と安全に繋がります。

 

今回の被害訴えは、ハラスメントだけでなく、時間外手当の改ざん等にも及びます。声をあげてくださった方々の勇気を無駄にせぬよう、これからも稲沢消防および防止委員会の動きをチェックしていきます。

forms.gle稲沢市議会議員 しち おう/志智 央
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