稲沢市議会議員のしちおうです。
昨年末に発生し、ブログでも説明した稲沢市消防署職員の不祥事。
改めて概要を説明すると、消防署の職員が免停中に公用車を運転。救急出動中に自損事故を起こしたことで、免停中であることが発覚。懲罰委員会にかけられ、停職6ヶ月の懲戒処分を受けたというものです。
【過去記事】
稲沢市としての処分は決着したわけですが、最も重要な再発防止策についてあまり語られてこなかったため、会派(議会内のグループ)のメンバーと消防署長らに話をしに行きました。
まず、消防署は、免許証の保持について、① 定期的な確認:3ヶ月に1度、素の免許証を目視で確認、② 日々の確認:公用車を運転する際に、ケース等に入った免許証を目視で確認、していました。
本来であれば、この取り組みによって免停中の公用車運転を防げたはずですが、当該職員は免許証をカラーコピーして偽造していたため、見破ることができませんでした。
→ 再発防止策として、日々の確認においても、定期確認と同じく免許証をケース等から出した上で、目視および触って確認することとなりました。
次に、今回さまざまな法令違反(免停中の運転はもとより、免許証の偽造、交通事故・違反の際の報告義務を怠るなど)がなされたことを受けて、
→ ① 交通安全教育(若手職員や過去3年間に事故を起こした職員の中からピックアップして、講習を受けさせる)、② 倫理教育を充実させることとなりました。
加えて、今回の不祥事の背景には組織的な問題が隠れている可能性があるため、若手職員に限らず、消防署職員全員を対象にすることはもとより、消防署職員に限らず市役所の職員全員を対象に、全庁的に取り組んでほしいことを会派として要望しました。
他にも、2020年に同様の不祥事(稲沢市役所の他部署で免停期間中に公用車を運転した職員がいた)があったにも関わらず再発防止できなかった理由の一つに、市役所内と消防署とで意識の上でも情報共有の上でも縦割りとなっていること。
また、当該職員が警察に「運転手が少なくなるので、職場に迷惑がかかると思い報告をしなかった」と供述したことから、職場の同僚や上司に相談しにくい職場の雰囲気があること。
以上のことも問題提起しました。
不祥事が起きた時、問題を当該職員の素質として終えるのではなく、人の問題、組織の問題、仕組みの問題とに分けて、どんな職員がいても不祥事ができる限り起きないようなシステムを作ることが重要です。
それが出来ていれば、当該職員もここまでの不祥事は起こさなかったでしょう。20代とまだ若いのに、大きな事件になってしまったことは、残念ですし、悔やまれます。
こうしたことは非常に言いにくいことですが、だからこそ議会として市役所を相手に言わなければならないことだとも思います。引き続き、組織の復活のために、消防署のことをチェックしていきます。