稲沢市議会議員 しちおう ブログ

不登校を経て、作業療法士として病院に勤務、現在は稲沢市議会議員として活動する「しちおう」のブログです。

義務教育の9年間を一貫した指針で教え、育む〜つくば市の小中一貫教育〜

稲沢市議会議員のしちおうです。

視察報告の最終回は、茨城県つくば市の取り組み「小中一貫校の教育」です。

初日の三郷市「日本一の読書のまち宣言」はこちら。

二日目第一のテーマ、つくば市「校内フリースクール」はこちら。

 

小中一貫教育

つくば市は、中学校区内に存在する小中学校を「学園」と名付け、グループ化し、小学校と中学校で切れ目なく教育を行う小中一貫教育を推進しています。

また、名実ともに小中一貫教育を行うべく、小中学校が一つの施設に入っている施設一体型小中一貫校が4校、小中学校が併設されている施設分離型小中一貫校が2校設置されていました。

 

配置に至った背景

中一ギャップの解消等を目的に、義務教育9年間の連続性を重視し、発達段階に応じた支援を行っていました。小中一貫校でなくても、中学校の生徒を「中学1年生」とは言わず「7年生」と呼び、児童生徒も教員も意識付けをしているのが印象的でした。

 

学習の方針

「教えから学びへの転換」、「管理から自己決定への転換」、「認知能力偏重から非認知能力の再認識への転換」を目指しています。

→ 私が今後の教育において重要だと考えている「自己決定」、「非認知能力」というワードが出てきました。

自己決定は、収入などよりも人の幸福感に寄与しているという研究結果がある要素です。
非認知能力は、学力テストなどで測れる能力である「認知能力」の対義であり、コミュニケーション能力や最後までやり遂げる力など、数値化が困難な能力のことです。こちらも、学力以上に重要な力と言われるようになってきました。

 

小中一貫教育の具体的な取り組み

各学園で義務教育9年間を貫いた共通の「教育目標・教育内容や手立て」が設定され、それらが学園の教職員に共通理解されています。

義務教育9年間の学びの連続性を生かして、学習カリキュラムの効率化を図ったり、柔軟な運用をしたり、小中交流活動・異学年交流を通して各学年にふさわしいリーダー体験を推進したり、他者と関わる力を育んだりしていました。

また、小中学校教職員の柔軟な人員配置を行うことで教員の連携、協働を図ったり、小中教職員の間で情報を共有することで生徒指導の連携・切れ目のない支援を行ったりしていました。

一方で、小中一貫校は校長が1名、教頭が2名の配置で行っていますが、日本一の児童生徒数の学校もあるため、教員の目が行き届かない点もあったそうです。以上のことから、校長が2名体制となる施設併設型の小中一貫校も作り始めたそうです。

 

所感

つくば市の小中一貫校は、学校施設をどうこうするという議論よりも前に、小中一貫教育の推進が柱としてありました。

これは稲沢市でも言われていますが、小中一貫教育の利点がいまいち把握できていなかった中で、つくば市の「義務教育を小中学校9年間という長い期間で捉えることで、一貫した方針で教育を行えること」、「授業内容の効率化や柔軟な運用が図れること」、「教員同士の連携が進むこと」

そして、これを施設一体型小中一貫校や小中学校が併設されている施設分離型小中一貫校のみならず、すべての小中学校を中学校区ごとに学園としてまとめて実現していることはとても参考になりました(稲沢市の場合、中学にさまざまな小学校から通いにくる子がいるため、学園のエリア分けがしづらい地区がありますが…)

 

また、学習の方針として、昨今の教育の中で重要視されるようになった「自己決定」や「非認知能力」に言及されていたことが印象に残りました。

非認知能力が発達すると言われる幼児期から学童期において、これらの学習方針に基づいた教育が一貫して行われることで、その後の人生を生き抜く力の土台が作られる。これを児童生徒、教員、保護者、地域の人らで共有しながら進めることはとても大きなことだと思います。

 

この町で、どんな学習が提供されるのか、は住む町を決める上で重要な要素となります。そして、稲沢が市町村として生き残る上で最も考えなければならないテーマだとも考えています。

特色のある教育をこの稲沢の地で行えるように、今回の視察を糧にして考えていきます。

 

以上が視察の報告でした。最後までお付き合い下さり、誠にありがとうございました。

帰ってきたー!

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