稲沢市議会議員のしちおうです。
視察報告の二日目は、茨城県つくば市の取り組みを紹介します。視察させて頂いた項目は、校内フリースクールと小中一貫校の二つで、フリースクールの内容からまとめますね。
まず、つくば市の概要
つくば市の人口は、25.6万人。1987年に三町、一村が合併してつくば市となり、1988年には築波町を、2002年には茎崎町を編入合併し、今のつくば市となりました。人口が急増し、学校の新設が続いています。
校内フリースクールの配置に至った背景
不登校の子が増える中で、ゆっくり休める場所がある学校、いつ行ってもいい学校、好きな勉強ができる学校を作り、「社会的自立」を目指すために2022年から始まりました。
方針
学校に来ることのハードルを下げ、家の外に出られない児童生徒を一人でも減らすことを目標にしています。さらに、不登校の子どもだけの居場所ではなく、一時的な避難場所としての機能も重視していました。
配置の流れ
2022年:中学校1校で校内フリースクールを試行的に設置
2023年:全中学校と小学校6校に設置
2024年:全小中学校50校に設置
校内フリースクールには、支援員(教員免許保持者)および補助員(非教員免許保持者)を小中学校に1名ずつ。小中一貫校には2名ずつ配置していました。多様な過ごし方により柔軟に対応できるよう、2024年から中学校と小中一貫校の部屋を1部屋から2部屋に増室していました。
→ 施行開始から二年で全校配置というスピード感。ほぼ毎月、教育委員会と予算を付ける執行部とが話し合いをしており、教育にお金を割く土壌ができているとのこと。
配置の効果
小中学校の利用者総数は小学校で76人。中学校で301人。合計377人。
平均利用者数は、一日3人程度。
利用者総数の377人の内、前年に150日以上欠席していた児童生徒が41人。90日以上欠席が48人。30日以上欠席が54人。
生徒、保護者の反応
・生徒
「いつでも行って大丈夫で勉強を見てくれる」、「好きなことができて嬉しい」、「安心して登校できる」
・保護者
「自宅以外で安心して過ごせる場所」、「家族以外の人と話せる」、「選択肢が増えて良い」
→ 生徒、保護者の反応を見ても分かる通り、自宅で家族以外の誰とも話す機会のない状態から、少なくとも家を出て、家族以外の誰かと過ごす場になるということは社会的自立に向けて重要なステップだと思います。
所感
校内フリースクールの取り組みによって、150日以上欠席している、つまり学校から長く離れていた子も通うことができるようになっていました。長期化すればするほど復帰が困難な中で、これはとても大きなことだと思います。
また、校内に設置することで不登校の子のみならず、一時的に気持ちを落ち着けたい子などの居場所にもなっていました(視察の応対を頂いた教員の方も、ここは強調していた)
さらに、つくば市は、民間のフリースクールへの財政的な支援も合わせて行うことで、学校に来られない子の居場所の確保、学校には来られるが教室には入れない子の居場所の確保と、重層的な対応をしていました。
校内フリースクールの導入は、財政的には人件費が主で、稲沢市で実践する場合は一校あたり600万円前後の費用になると思われます。稲沢市は校外に適応支援教室明日花がありますが、そこから溢れてしまう子に対するアプローチとして、そして学校に通えてはいるが居場所がない子の不登校の未然防止として、校内フリースクールは有用だと感じました。
稲沢市では何が最適解なのか。この視察で学んだことを生かして、考えていきますね。
つづきます。
forms.gle稲沢市議会議員 しち おう/志智 央
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