稲沢市議会議員 しちおう ブログ

不登校を経て、作業療法士として病院に勤務、現在は稲沢市議会議員として活動する「しちおう」のブログです。

稲沢市で子ども用品のリユース制度が始まります。

稲沢市議会議員のしちおうです。

稲沢市で新たに「子ども用品のリユース事業」が始まりました。

リユース(再使用)とは?

言葉の通り、一度使ったものをゴミにしないで何度も使うことを言います。

子どもの成長は早いため、服がサイズアウトしやすいです。なので、購入費用がかさみがちである一方、サイズアウトした服は着用回数が少なく「まだ着られるもの」があります。

譲り合いが機能すれば、経済的な負担が減り、助かる子育て世帯が増えるはずです。

 

ちなみに、似た言葉として、リサイクルがありますが、これはゴミを資源として再利用するために分解等して、同類の製品あるいは違う製品の素材として利用することを言います。

具体的には、使わなくなった子ども用品(子ども服などの衣類、チャイルドシートなどの大型育児用品など)を地域で生かすため、児童館や市役所の環境センターで回収を行い、必要とするかたに無料配布します。

実はこれ、2021年9月議会でぼくが取り上げたテーマの一つでして、職員の方々が形にしてくれました(とてもうれしい…!)

▶︎ その時の議論を振り返る。2021年9月定例会 一般質問 − 多胎児支援について −

(しちおうの提案)

子どもを車に乗せる時、6歳まではチャイルドシートまたはジュニアシートの装着が義務付けられている。これがなかなかの金銭的負担になる。

うちの場合、妻の車に3歳まで利用できるチャイルドシートを設置していたが、保育園に預けるようになってからは、送迎と緊急時の対応のため私の車にも0歳から6歳まで使えるチャイルドシート・ジュニアシート兼用のものを買い足した。

ただ、妻の車に設置したチャイルドシートは3歳までしか使えないため、3歳以降にまた一つ買い足さなければならない。つまり、合計3つのシートが必要になる。

 

双子の場合、夫と妻の車それぞれに置こうと思うと、最低4台必要になり、金銭的な負担が非常に大きい。

シート類は中古でも大きな値下がりがなく、さらに子どもの安全のためと思うと変なものを買うわけにはいかない。

稲沢市には「不要品紹介制度」という家庭で不要になった、まだ充分に使用できる品物をリユースするための制度を設けている。この制度を生かして、チャイルドシートとジュニアシートに絞り、子育て世帯のリユースを促してはいかがか?

(市役所の答弁)

チャイルドシートのリサイクルについてですが、一時期にしか使わないものですので、そういった制度があると良い。他市の事例を参考に調査研究します。

 

昔よくあったこうした譲り合いは、フリマアプリの登場で減っているそうです。したがって、制度が出来ても、品物が集まらない可能性はあります。しかし、だからこそ、無料での譲り合いにはニーズがあると思うし、ぼく自身も子ども用品をいろんな人から譲り受けて助かった経験があるので、この制度をめちゃくちゃ応援しています。

・対象となる子ども服

ベビー服、子ども服(140cmまで)、肌着(新品のみ)

 回収できないもの:破れや汚れがある、記名されている、制服、特定のユニフォーム、パジャマ、靴、帽子

・対象となる大型育児用品

ベビーカー、チャイルドシート、ベビーベッド、ベビーチェア、ベビーラック、バウンサー

 回収できないもの:破損している、部品が揃っていない、おまる、ベビーバス

子ども用品リユース事業|稲沢市公式ウェブサイト

ベビーカーやバウンサーなど、すでにいくつかの大型育児用品の寄付を受け付けたそうで、引き取り手の募集も始まっています。この取り組みをなんとか成功させたいので、寄付あるいは引き取り手に心当たりのある方が見えたら、伝えてもらえると助かります。何卒よろしくお願いします。

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稲沢市議会議員 しち おう/志智 央
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・4月の街頭 市政報告会の予定
 8日、15日:JR稲沢駅  19日:国府宮駅 25日:森上駅にて実施
 ※天候などの影響で順延する可能性があります。
   参集頂ける場合は、事前連絡頂けると幸いです。
   時間は7〜8時30分 国府宮駅のみ7〜10時に開催。
   新型コロナでの困りごとなど、気軽に相談下さい。

【雑記】通知表をやめた公立小学校の挑戦

稲沢市議会議員のしちおうです。

とても印象的なニュースがあったので、紹介します。

通知表をやめた公立小学校、2年後どうなった? 子ども同士を「比べない」と決めた教員たちの挑戦 | 47NEWS

 

神奈川県にある茅ケ崎市立香川小学校で通知表を廃止した取り組み。

背景には、新たに着任した校長先生が以前から抱いていた「通知表に良い評価が多かったら喜び、そうでなければ悲しむだけ。そこに意味はあるのか?」という疑問です。

この問題提起を受けて、教員同士で議論。大半の教員が「勉強の動機付けになっている」「保護者も求めている」と考える一方、「一人の大人の価値観で子どもをランク付けする違和感」や「優越感や劣等感を抱くことに繋がりかねない危険性」を感じている教員も。

 

そもそも、なぜ通知表を付けているのか?という原点に立ち返ると、「子ども自身が学んだことの意義や価値を実感し、目標や課題をもって学習を進めていけるようにすること」であり、通知表として作成する義務もない(!)ことから、廃止を決定。

 

そこからは試行錯誤の連続で。通知表をなくした代わりに、これまで以上に子どもの変化や成長に気付き、メッセージで伝えたり、保護者とコミュニケーションを取ったりすることを心がけた結果、時間がかかりすぎて授業の準備に割く時間がなくなることも。

 

しかし、だんだんと「通知表がなくなったことで、子どもに優劣を付けるのが当然」という発想から離れ、教員の意識が変わっていくことに。

たとえば、運動会では5クラスで順位付けをしていた種目を「本番で練習よりタイムを縮めること」を目標にすることで、これまで「1位のクラスは大喜びで、3位、4位のクラスは冷めたリアクション」だったのが、「順位より、何秒で走り切れたかに注目し、喜び合える」状態になった。

また、テストの点数付けをやめた教員もいて、「この問題の配点は5点」「あの問題は10点」と考えるより、テストのそもそもの目的である「理解していない問題を把握して次の学習に繋げる」ことに集中出来るようになったとのこと。

 

この取り組みが功を成すかそうでないかは、通知表を廃止して2年の段階では正直よく分からないと思います。大人になれば厳しい競争に晒されるのだから、子どもの内から鍛えた方が良いという人もいるでしょう。

でも、記事本文にある「優劣を比べるのが当たり前といった今の社会を覆う価値観に染まりきる前に、それが全てではないと肌感覚で知っておくことは、決して無駄ではないと信じている」という言葉の通り、子どもの内だからこそ、他者との比較ではなく去年の自分や昨日の自分との比較を通して成長していける自分を知ることが大切だと思います。

それは、学習面だけではなくて、人との比較から離れることは幸せに生きていくための秘訣でもあると感じます。

 

本文中には「ほめられるために頑張ってきた。から通知表を復活させてほしい」という子どもの声もあったと紹介されています。他者からの評価のこわいところはこれで、「誰かが見ていないと頑張れない」、「誰かから評価されないと動けない」人を育てることにも繋がっているのではないか、と思います。

 

子どもの成長は著しいです。同じ学年の子でも、300日以上生まれてからの日が違う子を同じ評価基準に当てはめること自体に無理があります(3月生まれと4月生まれでは高校の偏差値や大学の進学率、所得に差が生まれるという研究がある)

 

通知表を無くす、というよりは子どもに優劣を付けない、他者との比較を止める、という点で真似できること意識できることは稲沢市でもあると感じます。茅ケ崎市立香川小学校の挑戦も今後も見守って、これからの教育について考えていきたいと思います。

稲沢市議会議員 しち おう/志智 央
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・4月の街頭 市政報告会の予定
 8、15日:JR稲沢駅  19日:国府宮駅
 25日:森上駅 

※天候などの影響で順延する可能性があります。
   参集頂ける場合は、事前連絡頂けると幸いです。
   時間は7〜8時30分 国府宮駅のみ7〜10時に開催。
   新型コロナでの困りごとなど、気軽に相談下さい。

【追記】デジタル教科書の課題。

稲沢市議会議員のしちおうです。

先日、タブレット端末で学習を行なうeラーニングについてブログに書いたのですが、別件で市民の方からこんな相談を頂きました。

「学校で使うタブレット端末にデジタル教科書を入れてほしい。小学生は雨の日も暑い日も毎日荷物が多く、かわいそうになる。稲沢市は幸いにして一人一台のタブレット端末が支給されているため、全教科教科書の内容が入ればランドセルが軽くなり、子どもの負担が減る」というものでした。

・eラーニングについて書いた過去記事はこちら

確かに。子どもの荷物ってたくさんあって、重い。特に低学年はランドセル自体の重さで負担だし、通学だけで疲れちゃう。稲沢市議会はじめ、全国的にランドセルの重さは問題視されていて、置き勉(教科書を持ち帰らず、学校に置いておくこと)が出来る流れにもなってきました。デジタル教科書が導入されれば、子どもたちの負担は減るのかも。

 

と思って、いろいろと調べ始めてみたところ、どうやらいくつか課題がある様子。

1つ目は制度の壁。

2021年4月に学校教育法が改正され、授業でデジタル教科書を扱えるようになりました。一方で、国は、デジタル教科書の使用範囲を教科ごとに授業時間数の1/2未満と定めている文科省の告示)ため、結局はアナログとデジタルを併用しなければなりません。

コロナ禍で急速にデジタルあるいはオンラインでの学びは普及してきましたが、制度が追い付いていない。加えて、教員も紙からデジタルへの転換が充分に進んでおらず、授業の質を担保できない面もあると思われます。

2つ目は法律の壁。

教科書無償措置法により提供される教科書は紙のみが対象で、デジタル教科書は対象外。したがって、費用は各自治体あるいは利用者の負担になります。

以上の2点が主な課題となり、デジタル教科書の普及が進まないようです。

 

紙かデジタルか。

最終的には時代に合わせて資料が見やすく(文字の拡大や障害などの理由により”見えにくい子”に配慮した配色に変更が出来る)、他者との共有がしやすく、深い学びに繋がり(動画などでの説明)、適宜更新が可能で、劣化しづらいデジタルに移行していくとは思います。

いまは過渡期で、法や制度や人が追い付いていない面があります。利用者の金銭的な負担が増えることは大きなデメリットであるため、まずは部分的なデジタル教科書の導入など、出来る範囲での取り組みを推進するとともに、国の動向(国はデジタル教科書の購入費を負担するなど支援策を始めているし、上記した法や制度の課題にも取り組もうとしているみたい)をチェックしていこうと思います。

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