稲沢市議会議員 しちおう ブログ

不登校を経て、作業療法士として病院に勤務、現在は稲沢市議会議員として活動する「しちおう」のブログです。

【雑記】通知表をやめた公立小学校の挑戦

稲沢市議会議員のしちおうです。

とても印象的なニュースがあったので、紹介します。

通知表をやめた公立小学校、2年後どうなった? 子ども同士を「比べない」と決めた教員たちの挑戦 | 47NEWS

 

神奈川県にある茅ケ崎市立香川小学校で通知表を廃止した取り組み。

背景には、新たに着任した校長先生が以前から抱いていた「通知表に良い評価が多かったら喜び、そうでなければ悲しむだけ。そこに意味はあるのか?」という疑問です。

この問題提起を受けて、教員同士で議論。大半の教員が「勉強の動機付けになっている」「保護者も求めている」と考える一方、「一人の大人の価値観で子どもをランク付けする違和感」や「優越感や劣等感を抱くことに繋がりかねない危険性」を感じている教員も。

 

そもそも、なぜ通知表を付けているのか?という原点に立ち返ると、「子ども自身が学んだことの意義や価値を実感し、目標や課題をもって学習を進めていけるようにすること」であり、通知表として作成する義務もない(!)ことから、廃止を決定。

 

そこからは試行錯誤の連続で。通知表をなくした代わりに、これまで以上に子どもの変化や成長に気付き、メッセージで伝えたり、保護者とコミュニケーションを取ったりすることを心がけた結果、時間がかかりすぎて授業の準備に割く時間がなくなることも。

 

しかし、だんだんと「通知表がなくなったことで、子どもに優劣を付けるのが当然」という発想から離れ、教員の意識が変わっていくことに。

たとえば、運動会では5クラスで順位付けをしていた種目を「本番で練習よりタイムを縮めること」を目標にすることで、これまで「1位のクラスは大喜びで、3位、4位のクラスは冷めたリアクション」だったのが、「順位より、何秒で走り切れたかに注目し、喜び合える」状態になった。

また、テストの点数付けをやめた教員もいて、「この問題の配点は5点」「あの問題は10点」と考えるより、テストのそもそもの目的である「理解していない問題を把握して次の学習に繋げる」ことに集中出来るようになったとのこと。

 

この取り組みが功を成すかそうでないかは、通知表を廃止して2年の段階では正直よく分からないと思います。大人になれば厳しい競争に晒されるのだから、子どもの内から鍛えた方が良いという人もいるでしょう。

でも、記事本文にある「優劣を比べるのが当たり前といった今の社会を覆う価値観に染まりきる前に、それが全てではないと肌感覚で知っておくことは、決して無駄ではないと信じている」という言葉の通り、子どもの内だからこそ、他者との比較ではなく去年の自分や昨日の自分との比較を通して成長していける自分を知ることが大切だと思います。

それは、学習面だけではなくて、人との比較から離れることは幸せに生きていくための秘訣でもあると感じます。

 

本文中には「ほめられるために頑張ってきた。から通知表を復活させてほしい」という子どもの声もあったと紹介されています。他者からの評価のこわいところはこれで、「誰かが見ていないと頑張れない」、「誰かから評価されないと動けない」人を育てることにも繋がっているのではないか、と思います。

 

子どもの成長は著しいです。同じ学年の子でも、300日以上生まれてからの日が違う子を同じ評価基準に当てはめること自体に無理があります(3月生まれと4月生まれでは高校の偏差値や大学の進学率、所得に差が生まれるという研究がある)

 

通知表を無くす、というよりは子どもに優劣を付けない、他者との比較を止める、という点で真似できること意識できることは稲沢市でもあると感じます。茅ケ崎市立香川小学校の挑戦も今後も見守って、これからの教育について考えていきたいと思います。

稲沢市議会議員 しち おう/志智 央
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