稲沢市議会議員 しちおう ブログ

不登校を経て、作業療法士として病院に勤務、現在は稲沢市議会議員として活動する「しちおう」のブログです。

【雑記】私たちの苦しさの元凶は

稲沢市議会議員のしちおうです。

参議院選挙が終盤に入り、各党の争いが激化しています。

今回の選挙の政党あるいは候補者の主張で特徴的なのが、「私たちの生活の苦しさは、”あいつ”のせいだ」というものです。この”あいつ”は、外国人であったり、農協や医療機関など既存の組織であったりします。

中でも最も多いのが、「外国人」に向けられた攻撃です。

 

簡単に言うと、日本は日本人より外国人が優遇されている。外国人のせいで犯罪が増え、治安が悪化し、賃金が下がっているという主張です。

実際はどうなのか。日本における外国人の刑法犯検挙人数を見ても、「外国人の増加で治安が悪化している」という明確な根拠は出てきません。

1994年〜2023年までの30年間で外国人の人口は約3倍になったが、検挙された人数は近年減少傾向にある。

この時注意すべきなのは、犯罪件数を単純に人口比で出すことで、外国人は若年層が多く、日本人は赤ちゃんから後期高齢者まで含まれるため、単純比較はできない。

仮に単純比較であっても、外国人全体の犯罪率は、やや高い地域の日本人の犯罪率よりは低い。

 

不法滞在者に関しても、同様です。

法務省のデータでは、最も多かった約20年前の1/3〜1/4にまで減っています。

 

外国人は本当に敵なのでしょうか。

 

 

賃金に関しては、私が調べた限り、数値上相関関係が認められず、ほぼ影響がない論と、外国人への依存度が高くなっている宿泊業や飲食サービス業などでは日本人の賃金を押し下げる影響がある可能性は否定できないという論がありました。

個人的な体験としては、介護分野で進む外国人労働において、

介護分野の待遇の悪さから日本人でやりたがる人がいない→ 日本人の待遇改善ではなく、より安い労働力として外国人を活用するべく技能実習制度開始(現、育成就労制度)→ 外国人の採用は育成に時間を要す反面、短期間で辞めてしまうため、一時凌ぎにしかならず現場の困窮は増すばかり、でした。

以上のことから、日本人の賃金含めた待遇改善の妨げになっている可能性があると感じます。

 

ただ、それは外国人が悪いのではなく、日本人より安い労働力として外国人に目を付けて、実質的な移民政策を進めた政府と、承認した議員と、それを推し進めることで利益を得ている人々ではないでしょうか。

 

本当の敵は誰なのでしょう。

 

 

私たちの生活の大変さや苦しさは、複雑かつ繋がりあっていて、「悪い外国人を追い出す」という単純な答えでは解決できないと思います。この道の行き着く先は、外国人を攻撃しても生活が改善しない→ 次の攻撃の対象を探す。を延々と繰り返すことではないでしょうか。

 

 

でもね、そんなことしている場合です?

それで私たちの生活って良くなります?

中国やロシア、アメリカといった大国に飲み込まれないために、日本をどのように守るのか。

少子高齢化によってこれまで通りの暮らしができない中で、何を取捨選択していくのか。

私たちの生活に身近な物価高は待ったなしですし、賃金の上昇、労働力の確保、税の負担のあり方、年金など将来不安への対応など、考えなければならないことはたくさんあります。

 

根拠や確証のない話を意図的に振りまき、不安や怒りを煽り、差別や排除を生み出す人たちに社会的課題を解決できるとは思いません。

衆院を通過した法案に再度目を通す参院に求められるのは、長期的かつ専門的な視点です。6年間、代えることができない人材を1億円を超える額で雇う選挙です。

社会的な課題を、地道で粘り強い対話を通して、解決してくれる人を私は選びたいし、選んだ後も活動をチェックし続けたいです。

 

投票にいこう。