本日より、会派での行政視察に出ています。
(全国的に、1月末〜2月に視察へ出る市町村が多いそうで、稲沢市は、冬夏の2回。費用は、会派一人につき月2万円支給される政務活動費と自費を合わせて来ています)
雪による影響を心配しましたが、小牧空港からFDAに乗って無事に上陸。
くまモンに出迎えてもらいつつ、路面バスにていざ市役所へ。
ユアフレンドは、不登校や不登校気味の児童に対して、先生でも、親や家族でもない、熊本大学教育学部の学生をお兄さん・お姉さんとして派遣しています。
ポイントは、目的が話し相手や相談相手、遊び相手になることで、児童を学校に復帰させることを目的としていないことです。
結果、彼らの存在が心の居場所や拠り所となり、派遣のあった児童の8割に「登校できるようになった」「目に見える変化があった」「改善傾向」などの好反応があったそうです。
具体的には、①学校職員とは面会しない児童が学生となら会う、②学生が校内に来る日だけ登校して来る、③学生が児童と会えなくても粘り強く筆談を続けた結果、部屋から出て、復学までこぎ着けたなど、動画などを用いて様々な事例の紹介がありました。
実は、昨年12月議会の一般質問で取り上げた「ホームフレンド事業」の更に先へ行く取り組みで、ホームフレンドをより良くするためにはどうすれば良いのか悩んでいた時にこの取り組みを知って、行き先として志願しました。
熊本市は、いち早く事業展開(平成14年開始)し、14年間の積み重ねによってノウハウが蓄積。教育委員会と大学とで密に連携が取られており、200人近い生徒が登録、年間2000回以上派遣しています。
特にマッチング制度の充実、専用の職員配置、派遣の形態が豊富(1.家庭への派遣、2.校内にて1対1の派遣、3.校内にて複数生徒へ派遣、4.適応教室への派遣)、学生の研修制度、メディアを巻き込む広報の仕方が優れていると感じました。
大学生にとっても、児童との関わりで成長があり(20回訪問して1度も生徒に会えなかったが、諦めず関わり方を模索し続けたことで、最終的には変化が訪れた事例の報告がありました)、事業の成果が大学から評価され、学生が単位を取得できるようにもなるなど相互にメリットがある良い関係性を築いているようでした(このwin-winの関係が14年も継続できた理由でもありそうです)
ユアフレンドを受けた児童が、復学して自分も同じような子どもを助けたいと熊本大学へ入学する感動的な事例もありました。
一番印象的だったのは、「出会いが人を変える」という言葉です。
人と接し直して、他者との関わる力をつけ、「自分にもできるんだ」と自信を取り戻していく。そんな心の復興を後押しするのは、いつも人との出会いなのかもしれません。
派遣の形態など、稲沢市にも適応できそうなアイデアがありましたので(市内の大学・短大とも連携したい…)、今後の提言に生かしていきたいと思います。