稲沢市議会議員のしちおうです。
1泊2日で委員会の視察に行かせてもらいました。
視察ってなに?
稲沢市議会(含め、全国の多くの市議会)は、毎年この時期に※委員会単位で先進的な取り組みをする自治体を見に行きます。これ、もちろん税金を使った勉強になるわけですが、「どこへ行き、なにを学んだか」は、一般の人はほとんど知らないと思います。
※委員会:市役所の仕事内容は多岐に渡るため、議会は「委員会」という部会を作って、予算や議案の審議を分担して行なっている。稲沢市は3つの委員会が存在し、議員はいずれかに必ず所属する。
ぼくの役割の一つが、見えづらい議員の仕事を可視化することなので、初当選して以来、毎回ブログで「どこへ行き、なにを学んだか」を公開してきました。
今期ももちろん継続して取り組んでいきます!ってことで、視察のダイジェストを。
神戸市 災害協力シュミレーションゲーム「ダイレクトロード」
【概要】
まずは、ゲーム感覚で防災知識を学ぶ手段について。
このダイレクトロードは、神戸市消防職員が開発したカードゲーム型の防災訓練教材です。
南海トラフ地震が発生した世界を疑似体験、その中で仲間とのコミュニケーションを通じて、災害時の対応や行動(消火、救助、救護、避難)、考え方を学ぶことができます。
神戸市HPより引用
神戸市HPより引用
【対象】
中学2年生〜70歳 1グループ 5〜7人(複数のグループで同時実施可能)
【所要時間】
合計70分(事前説明10分 ゲーム45分 ふり返りとまとめ15分)
【特徴】
事前学習を必要とせず、教材も神戸市のホームページから無料でダウンロードできるため、誰でも取り組むことができます。現在は海辺の町が災害に遭うことを想定した教材のみですが、内陸の町で災害に遭うことを想定した教材も開発中とのこと(完成したら、是非プレイしたい…)
【所感】
ダイレクトロードは、ゲームを通して災害時の対応の仕方を学べるわけですが、
周りの人とコミュニケーションを図りながらになるため、災害時に避難所を共にする人たちと行なうことで、災害の予備訓練に留まらず参加者同士が災害時に助け合うための土壌作りにもなると感じました。
「防災」というテーマは、多くの人にとって災害が非日常であることから、取っつきにくいテーマでもあると思います。そのため稲沢市の防災訓練も参加者が固定化されがちで、ほとんどの参加者が高齢者になりがち…ダイレクトロードを防災訓練に組み入れることで、より多くの人が参加しやすくなると感じました。
※防災対策用のゲームは他にも、避難所運営の仕方を学ぶ「HUG」や災害対応のジレンマをシュミレーションする「クロスロード」があります。
視察では、ダイレクトロードの他にも防災組織の運営方法も学んだのですが、小学校で運動会と防災をかけ合わせたイベントを開くなど、防災を考えてもらう機会を行政も住民も一生懸命考えていることが伺えました。
それは、やはり、神戸市が阪神淡路大震災で被災した経験を持つからだと思います。
市役所内にも防災に関するブースが
阪神淡路大震災では、住宅の倒壊によって救助が必要な人が3万5000人みえましたが、そのうち公助(消防・警察・自衛隊による救助)による救助は7900人に留まり、2万7100人は共助(地域住民の手による救助)によって救出されています。
自分たちの身は、自分たちで守らなければならないことを、身を以て知っている。
だから、防災に対してできる限りのことをしている。
私たちは災害の体験がないからこそ、実際に体験した自治体の取り組みを見て、私たちにもできることを模索していかなければならないと改めて思いました。
ちなみに、視察後に少し時間が取れたので、みんなで阪神淡路大震災を記念した施設「人と防災未来センター」へ(防災・減災の世界的拠点となることを目的に創設された機関)。災害に対する見識をより深められました。
本日はこの辺で。明日は二日目の視察地の記事を書きますね。
つづく。
➡next 2日目:行政情報を災害から守れ〜大阪府高石市視察〜
稲沢市議会議員 しち おう/志智 央
Facebook:https://fb.com/shichioh
Twitter:https://twitter.com/shichi_oh
phone:090-4239-4726
mail:shichioh@gmail.com