稲沢市議会議員のしちおうです。
昨日の記事に続いて、本日も委員会視察の報告を。二日目は大阪府高石市です。
(週末の稲沢シティーマラソンに向けて、早起きして公園を走ったのだけど、「荷物になるから」とランニング用の靴を持たずに革靴で走ったら、まんまと足を痛める…)
大阪府高石市 共同利用型自治体クラウド事業
【概要】
市役所ごとに運用していた住民基本台帳、税務、福祉などの行政情報を、外部のデータセンターで保管。他の市役所と共に共同で管理・運営することで、コスト削減と業務効率化、防災対策を図っています。
簡単に言うと、大切な情報を複数の箇所に保管しているので、災害で一箇所が機能不全に陥っても、予備があるから大丈夫!ってことですね。
契機は東日本大震災。
被災自治体の約3割が行政情報データを損失。高石市も南海トラフ地震による被災が予想されるため、重要な情報を※クラウド化することで災害が起きても市役所の業務を続けられるようにしたそうです。
※クラウド:インターネット上に情報を集約。好きな時に、好きなところから、情報を引き出したり、保存したりできる仕組み。
クラウドの導入費用は他自治体へ声をかけることで費用を頭割り。当初1市1町でスタートしていましたが、現在は2市2町で運用しています。
【導入効果】
①コストの削減
クラウドの導入費用は約2億2,500万円(内、国等の補助金で2,500万円充当)
莫大な費用ですが、行政情報の維持には毎年1億2,000万円かかっており、クラウドの導入によってこのランニングコストは約8,000〜9,000万円に減ることに。
導入後、5年間で約7%の費用削減効果があり、今後10年間で約16%、15年間で約19%の削減効果を試算しているそうです(長く利用するほど、コスト削減効果が高まり、導入費用を取り戻すことができる)
②業務の効率化
クラウドに入れたソフトに適合させるために、業務を見直し、最適化。
加えて、一つの行政情報を入力すると、他の行政情報へ内容が反映されることによって、データの連携強化・処理時間の短縮を図ることができました。
③災害時の業務継続性の確保
東日本大震災の教訓を生かし、耐震性に優れ、停電対策が取られたデータセンターに情報とシステムを置くことで災害によるリスクを軽減。
尚、データセンターは複数あり、厳重な入退室管理及び365日24時間対応の監視がなされ、市役所内で情報を保管よりセキュリティは強化されているとのこと。
【所感】
高石市が本事業に取り組むことになった契機は、東日本大震災と、これから起こることが予想される南海トラフ地震です。稲沢市もこの南海トラフ地震の影響を間違いなく受けるわけで、その際に「行政情報をどのように守るか」は大きな課題です。
クラウド化はセキュリティと費用の面で不安がありましたが、高石市の取り組みを見て、むしろ市役所で保管するよりも安全、かつ情報システムの維持管理費も軽減(稲沢市でも毎年1億円以上の保守点検費がかかっている)できることが分かってきました。
現状では大阪府と比べて愛知県の補助事業が手薄であるため、導入コストが高くなる懸念がある一方で、複数の自治体で取り組むことでコストを分散できるため、愛知県内の広範囲で取り組めると良いと感じました。
稲沢市の担当課へ情報提供を図っていこうと思います。
今回の視察報告はこの辺で。
最後までお付き合い下さり、ありがとうございました!
稲沢市議会議員 しち おう/志智 央
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