稲沢市議会議員 しちおう ブログ

不登校を経て、作業療法士として病院に勤務、現在は稲沢市議会議員として活動する「しちおう」のブログです。

沖縄県民投票への不参加が他人事ではないという話。

稲沢市議のしちおうです。

2月に沖縄県で県民投票があります。

米軍の普天間飛行場宜野湾市)を、辺野古(名護市)へ移設する賛否を問うものですが、県内の5市(宜野湾、宮古島、うるま、石垣、沖縄)が不参加を表明。

有権者の3割が投票できない事態になっています。

  

何か大変なことになっているみたいですが、

僕も含め「よく分からない」という方もいると思うので、整理してみましょう。

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そもそも、県民投票(住民投票)ってなに?

どこの住民であっても、有権者の1/50の署名を集めれば、自治体に対して条例制定の請求が可能です(地方自治法74条)簡単に言うと、一定数の民意があれば、「〇〇という決まりを作って欲しい」と住民が自治体にお願い出来る制度があるというわけです。 

 

沖縄県有権者数は約115万人。

つまり、住民投票に必要な数は、1/50の約2万3000人。

そして、実際の署名は、必要数の4倍、約10万筆が集まりました。

 

これを受けて、沖縄県は、議会に移設の賛否を問う県民投票条例の案を提示。

過半数の議員が賛成し、投票の実施へ向けて動き出しました。

 

(ちなみに、過去の住民投票の例には、原発建設や市町村合併の賛否等があります)


なぜ市町村が投票を拒めるの?その理由は?

沖縄県だけで全ての県民の投票を行なえないので、

投票の事務作業は、各市町村へ必要経費の全額を配り、お願いします。

この時、規則によって、市町村は、入ってくるお金と出るお金を議会へ報告します。

 

【選挙に際して県から入るお金(収入)→選挙に際して市が使うお金(支出)】

 

本来であれば、過半数の議員で賛成され、各市町村で投票が行なわれるはずですが、

上述した5市では反対が多数のために、ストップ

市長は議会で止められても押し通す術を持っていますが、断念しました。

 

理由としては、賛否二択を問う方式では「多様な民意を反映できない」、

「県民投票を行なってどのような結果が出たとしても、何も変わらない」などでした。


県民の権利を、市町村が奪うことはできるの?

憲法学者の一人は、「特定の市に住んでいることを理由に投票の機会を奪うのは、法の下の平等に反する憲法違反の行為」と話しています。

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「投票」という尊い権利 

ここからは私見ですが、

移設して良いか悪いかの二者択一で結論を出すのは確かに難しいと思う。

思うけど、投票する権利を奪うのは何人たりともやってはならないとそれ以上に思う。

 

今回の出来事を自分の立場に置き換えると、

愛知県内に米軍の基地が作られる→賛否を問う住民投票が行なわれる→

しかし、稲沢市議会で予算案が否決→県民投票に稲沢市民だけが全員参加できない

うん。これは、ヤバイ。

 

住民投票に法的拘束力はありませんが、県民の民意として扱われます。

しかし、そこには自分の意見は含まれておらず、結果は受け入れなければならない。

そんなの嫌ですよね。

自分の意志を表明する機会を他者に奪われるなんて嫌だ。

今回の行為は市長や議員の職権を大きく超えて、住民の権利を著しく損ねています。

 

 
ちなみに、選挙が始まった愛知県知事選挙も、予算は自治体の議会で承認しています。

沖縄の例が認められると、最悪の場合は市長・議会の意思次第で、選挙も止められるってことになりかねないんじゃないかな?

 


みなさんは、どう思いますか?

「自分が住む街ではないから」で終わらせずに、自分の意思を示す権利について考えることを通して、改めて沖縄のことを考えてみたいですね。

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写真は沖縄へ行った際のもの。海が綺麗だった。そして、僕は若かった。

 

しち おう/志智 央
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