稲沢市議会議員 しちおう ブログ

不登校を経て、作業療法士として病院に勤務、現在は稲沢市議会議員として活動する「しちおう」のブログです。

自分に似合う場所

「休み明けは児童の自殺数が多い」という統計データを受けて、約一年前に子どもへ向けて文章を書きました。

shichioh.hatenablog.com

今も同じことを考えています。死ぬこと以外の道を選んで欲しい、ただそれだけです。

自分の生い立ちを発信し、文章にまとめたことで、いろんな人と繋がり、様々な意見を頂きました。新たに感じたことをまとめます。

 

“逃げる”という選択肢。

私は名古屋市で生まれ、尾張旭市へ引っ越し、不登校になってから名古屋市へ戻って、復学のキッカケとなる名古屋市立中央高等学校へ入学しました。ある意味、居心地の悪い場所から“逃げた”形になるけれど、結果的にそれで良かったのだと思う。

 

学校や職場に馴染めなかった時に、その場から離れたり、逃げたりするのはタブーで、根性がない、我慢が足りない、努力しろ、という言葉が、人を追い込んでいくように感じる。多くの人が行ける場所に行けないと、「普通ではない」と判断され、その普通という型に自分をはめ込もうとするけれど、どうしても無理、苦痛で仕方ないと感じる場所に馴染む必要はないんじゃないかな。

 

どうせ同じ時間を過ごすなら、好きな場所で好きな人と過ごしたい精神で、今の自分のままで居心地の良い場所を探す。そのために積極的に逃げる!のも悪くないと感じる。

 

生きたい場所で生きる。

私のブログを読んで、ある女性が「すべて自分の意志の力で乗り切ろうとするのではなく、合う人合わない人、合う場所合わない場所と出会いながら、自分を知って、自分が泳ぎやすい方へ歩みを進めていくプロセスが、結果的に自分も、周囲も心地良くしていく。」と言ってくれた。

本当にそう感じるし、私は「西の魔女が死んだ」という本の一節を思い出した。

自分が楽に生きられる場所を求めたからといって、後ろめたく思う必要はありません。サボテンは水の中に生える必要はないし、蓮の花は空中では咲かない。シロクマがハワイより北極で生きるほうを選んだからといって、だれがシロクマを責めますか。

梨木香歩西の魔女が死んだ

 

私はこの言葉が好きだ。ハワイにいるシロクマも見てみたい気がするけど、やはり彼らには北極が似合う。住みたい場所に住めば良い。生きたい場所で生きれば良いと思う。

 

 

逃げる=楽をすると捉えて、そんなことは出来ないと思う人もいるかもしれない。でも、好きな場所と楽な場所はイコールではないし、“楽”と“楽しい”も違うと思う。「普通」に自分を押し込めた方が楽な時もあるし、ありのままの自分で「普通」の世界を生きるのは大変なことも多い。

 

良い悪いじゃなく、いろんな生き方と選択肢が目の前にはあって、そのどれをも選ぶことが出来る。そして、子どもであればあるほどに、選択肢と可能性を持っている。

逃げるではなく、今の場所よりも自分に似合う場所を「探す」と思って、二度と戻ることの出来ない場所まで自分を追い込まないで欲しいです。

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しちおう / 志智 央
稲沢市祖父江町森上本郷三8番地 トアヴェール201
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