稲沢市議会議員 しちおう ブログ

不登校を経て、作業療法士として病院に勤務、現在は稲沢市議会議員として活動する「しちおう」のブログです。

稲沢市の投票所の再編、その後

稲沢市議会議員のしちおうです。

12月議会のふり返り第2弾は、「投票所の再編」についてです。

・これまでの経緯

2020年9月に稲沢市の投票所が再編成されました。

目的は、①バリアフリーかつ土足で上がれて、駐車場が広い会場にしたかったこと、②新型コロナ対策のために、三密が回避できる会場にしたかったことなどが挙げられます。 

バリアフリーや新型コロナ対策は重要ですが、再編に伴って投票所の数が7つ減ることをしちおうは問題視していました(38カ所→31カ所)

 

以下、やり取りの概要。

しちおう:近所の投票所が廃止される方々からは、「今は車に乗れるから良いけれど、これから車に乗れなくなると投票所に行きづらくなる」という心配の声を聞いたよ。

パブリックコメントにはどんな声が寄せられたの?

市役所:パブリックコメントには、53人の方から、90件の意見が寄せられた。

主な意見は、再編推進希望などが5件、投票所が遠くなるなどが23件、期日前投票所の拡充希望などが12件。賛否は、再編に賛成が5件、反対・消極的が61件、再編への提案・希望が21件、その他が3件だった。

意見全体として、反対・消極的な内容のものが比較的多くあった。

 

しちおう:意見を出される方が一桁台のことが多いパブリックコメントで、これだけ多くの人が意見を寄せてくれたこと、その中でも消極的・反対の意見が多かったことは重く受け止めてほしい。

11月の選挙では投票率でも過去最低を更新(投票率32.99%)した。投票率は選挙の種類や候補者の顔ぶれによって変わるから、これだけを見て投票所再編の結果を語ることはできないけれど、影響はあったと感じるよ。市としての総括は?

市役所:投票所の課題だったバリアフリー化、土足対応、駐車場の確保が進み、多くの方の利便性が高まった。加えて、コロナ禍の中で、投開票を通じた感染拡大にも至らず、再編の必要性は間違いなくあった。

 

投票率は、一つの要因との関連だけで一概に判断できないため、結果をよく分析したい。今後も、市民の意見も参考に、見直せるところは見直し、本市における、より良い投票区・投票所を目指して、常に改善を続けていきたい。

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しちおう:ぼくが感じたのは、投票に行きたくても行けない人の状況はさまざまだということ。今回の変更で、段差などのバリアが解消された裏で、移動距離など他のバリアに阻まれている人がいる。でも、困っているのは、対策しなければならないのは、どちらも同じはずだよね。

本当は、他にもたくさん言いたいことはあるけれど、投票率の低下をどうにかしたいと思っているのは選挙管理委員会も同じだから、これからの話をするよ。

まず、投票率低下の対策は?

市役所:パブリックコメントでも商業施設での期日前投票を増やしてほしいという要望があった。日数や会場の充実について、引続き調査研究を続け、施設等への働きかけを進めていく。

 

しちおう:パブリックコメントにも「雨の日は立体駐車場のある施設だと濡れずに済むし、車椅子の貸し出しがあって助かる」という意見が寄せられていた。市内の大型商業施設への働きかけを強く求めるよ。

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次に、投票所の再編で一番影響を受けるのは交通弱者の人たちだ。

調べてみたところ、巡回バスや臨時バスの運行をする自治体が増えてきた。

中には、自動車に投票箱を載せて巡回する移動投票所を設置しているところもあり、問い合わせてみたところ、車両は既存の公用車を用いていて、職員が電話を繋ぐことでネット環境がなくても実現でき、新たな予算を使うことなく運用できていたよ。

これを投票所の無くなった地区だけではなく、市民の利便性の高い駅や大学、高校、そして病院に設置することで再編前よりも確実に良くなったと言える投票環境を実現できないかな?

市役所:投票区・投票所の再編後の課題として、投票支援の必要性は認識している。

ご提案の巡回バスや臨時バスの運行などの移動手段の確保、いわゆる移動支援についても、実施している他市の事例等を参考にするなど調査研究を行い、本市の特性に合った方法を模索していきたい。

 

しちおう:最後に、2019年6月議会で期日前投票所のリーフウォーク稲沢内にある商業施設の店舗と組んで、投票済み証を持って行けば特典を受けられる選挙割キャンペーンを行なうことを提案したよ。改めて、導入の考えは?

市役所:投票率に即効性が見込まれるが、選挙管理委員会が主体となって行えるものではない。しかし、効果が十分に期待できるので、選挙管理委員会で十分協議の上、対応を考えていきたい。

 

以上のような議論をしました。

再編の結果は変えられませんが、これからに向けて期日前投票所の拡充、移動支援および投票率向上のキャンペーン(選挙割)に対して、前向きな回答が得られました。

今後も実現に向けて働きかけることで、少しでも投票環境が良くなったと思ってもらえるように努力し続けていこうと思います。

今回の質問にあたって、パブリックコメントを寄せて下さった人の意見を参考にさせてもらいました。改めて、感謝です。ありがとうございました。

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稲沢市議会議員 しち おう/志智 央
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