稲沢市議のしちおうです。
私は以前に稲沢厚生病院という総合病院に勤めていました。自閉症など発達障害の子どもも見ていましたが、訪れる多くは高齢者。脳卒中や骨折等の整形外科疾患を主に担当する一方で、「認知症」を伴う方も相当数見ていました。
診断名として認知症が付いている人もいれば、別の病で入院したのをキッカケに医療者が異変に気付くこともしばしばありました。
他の患者さんのご飯を食べてしまったり、気付いたら全然違うところのベッドで昼寝していたり、廊下の床で逆さにしたゴミ箱に座って発見されたり、今思うと良い思い出ですね(^^)
認知症に対して一番重要なのは、早期に発見して、早期に適切な治療を開始することですが、周囲が異変に気付くのは難しいことです。特に、「認知症である」と本人も周囲も認められない、あるいは認めたくないという思いが先行して発見を遅らせています。
私も同じ立場であったら言えないかもしれない。もしかしたら、隠し通せるところまで隠してしまうかもしれない。
でも、認知症であると公表することで生きやすくなる人もたくさん見てきました。何に困り、どんな助けが必要なのかが明確になると、周囲は手を差し伸べることができます。公表することで徘徊した時に近所の人が声をかけてくれたり、買い物の際に店員がサポートしてくれたりしたケースもあります。
認知症の治療法だけじゃなくて、認知症を問題としなくなるような社会への転換も進めたい。気軽に言い合えて、「あ、そうなんだ。でも大丈夫だよ」と言える世の中であってほしい。それは、認知症に限らず他の悩みごとも、ささいなことにしていく力があると思います。
認知症になると不便だけど、決して不幸ではないと、思えるような社会にしていきたいですね。
しち おう/志智 央
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