稲沢市議会議員 しちおう ブログ

不登校を経て、作業療法士として病院に勤務、現在は稲沢市議会議員として活動する「しちおう」のブログです。

ひろがれ、子ども食堂〜福岡県久留米市〜

稲沢市議会議員のしちおうです。

長期間の連載でもうお腹いっぱいの人が多いであろう視察報告も、ついにラストです。

久留米市子ども食堂について触れていきます。

経緯

2014年に「子どもの貧困対策の推進に関する法律」が施行。

久留米市で取り組むことを考えている中で、市内でも充分に食事を摂れていない子や、服が毎日同じ子がいる報告があり、子どもが厳しい環境下に置かれていることが分かった。

時を同じくして、子ども食堂を開こうとする人たちが現れるも、食材費などの負担や、子ども食堂の理解を得られず場所が借りられないなどが足枷となっていることが判明、行政が支援に乗り出すことになった。

 

➡【過去記事】子どもの貧困について

 

支援内容

①市内で月1回以上開催

②基本的には手作りの食事を提供

③食事代は原則無料(実費相当分は請求できる)

④名簿および規約、会則等の定めがある

⑤原則5名以上の構成員がいる

以上を満たす団体に補助金を交付。

 

この補助金は運営費と施設整備費の二つに対して支払われる。

・運営費

20食以上提供する団体に対し、

月1回開催で10万円、月2回開催で20万円、月3回以上で30万円支給

他にも、朝ご飯を出す団体や長期休暇中に出す団体には、別途補助制度を設けている。

 

・施設整備費

1回のみ20万円 (大型冷蔵庫や炊飯器など食事提供に必要な備品や施設改修費用などに使える)

 

子ども食堂は7カ所で開催。

土曜日昼の実施が多いですが、毎週開催していたり、朝や夏休み期間だけ行なっているところもありました。参加人数は1回最低10名〜最大で147名が参加しているとのこと。

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感じたこと

稲沢市でも少なくとも2カ所で子ども食堂が開かれていますが、久留米市と同様、金銭的な負担や子ども食堂への理解がなく、場所や手助けを借りられない状況と聞きます。

これらの課題に対して、市が資金とお墨付きを与えることで活動がしやすくなりますし、子ども食堂を始めたくてもノウハウがなくて始められない人に対して、横の繋がりを作れるメリットもあると感じました。

 

➡【過去記事】稲沢市の子ども食堂スタート

 

ただ、やはり、稲沢市だけじゃなく、全国的にもそうなのだけど、本当に困っている家庭の子どもへ食堂の存在を届けることが難しいんですよね。

そして、子ども食堂へ参加してもらうだけじゃなく、子ども食堂を入口にして学習支援や生活支援へ繋げていくことも考えなければなりません。

そのためには、市役所が持っている子どもの貧困と支援に関する情報(たとえば、生活保護を受けている世帯の分布など)を開示して、子どもに関わるすべての部署と市民団体が連携し、「脱・子どもの貧困」に取り組む必要があります。

 

今回の視察を通して、課題の整理ができたので、今後の政策提言に生かしていきます。

 

以上で、今回の視察レポートを終わりますね。盛りだくさんの内容だったと思いますが、少しでも議員の活動の一旦を伝えられていると良いなぁ。最後までお付き合い下さり、ありがとうございました!

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自転車が似合う町へ〜福岡県久留米市のコミュニティサイクル〜

稲沢市議会議員のしちおうです。

連日投稿している視察の報告も、ついに最終ステージへ。

最終日は久留米市へ伺い、コミュニティサイクルと子ども食堂について学びました。

まずは、コミュニティサイクルからまとめますね。

経緯

久留米市では自転車の通行環境が不充分で走りにくかったり、駐輪環境が悪く放置自転車や盗難が多かったり、交通渋滞が多発していたりする課題がありました。

これに対して、平坦な地形であること、短距離での自転車利用者が多いことを生かし、「自転車が似合うまちづくり」を進めることになりました。

 

具体的な取り組み

①自転車ネットワーク:順次、自転車が走りやすいように道路を整備

②駐輪環境:駐輪場の整備・拡大、子供や高齢者向けの優先スペース設置

③啓発:警察と連携し、通行ルールやマナーの街頭指導、学校へ出前講座

④利用促進:乗り方教室などのイベントや大会の開催、コミュニティサイクルの導入

コミュニティサイクル

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で、コミュニティサイクルなんですが、簡単に言うと貸し自転車です。

市内各地にあるサイクルポートで自転車を借りたり、返せたりができるので、観光客はもちろん、定期券の購入で通学・通勤といった普段使いもバリバリできます。

2015年にサイクルポート6カ所、自転車46台から事業を開始。

現在はサイクルポート11カ所、自転車100台まで拡大しています。

 

利用者:会員延べ人数1万人

利用回数:1台当たり一日1.9回(全国有数の利用率)、延べ14万6089回

初期投資:約9700万円(内、国費5000万円)

2014〜2018年の5ヶ年で ランニングコスト:約1250万円

 

このコミュニティサイクル。ただ、視察するだけではもったいないと思って、

視察2日目が終わってから実際に借りて、乗ってみました(笑)

 

まず、交通系ICカードと携帯電話を使って会員登録を行なうのですが、これが煩雑。

二段階認証などの手続きに慣れていない人にとっては難しいかも(実際にうまくいかなくて、サイクルポートでは借りられず、事務所を探して延々と歩き回って、最終的になんとか借りられた)

ただ、市内の道路のいくらかは、歩者と自転車とが分離され、平坦な地形と相まって走りやすかったです。さらにサイクルポートが市内の主要個所に置かれているので、普段の交通として利用できるレベルに達していました。利用率が高いのも頷ける!

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ICカードでタッチし、解錠) 

 

一方で、サイクルポートが近くにない人にとっては、通学・通勤で利用するまでには至らず、なおかつ主要道路以外は歩者と自転車、車との分離ができておらず、正直危険だと感じる場所もいくつかありました。

稲沢市も平坦な地形なので、自転車の利便性が高い地域に思われるのですが、実際に走行すると歩道の凹凸の多さと道路幅の狭さによって走りにくさを感じるんですよね。。

はい、わたくし、選挙の時に自転車を乗り回して痛感しました…

 

自転車の利用を促すのは、渋滞の軽減以上に健康の促進の面で良いと思っているので、まずはコミュニティサイクルの導入よりも前に通学・通勤で利用されることの多いコースだけでも道路整備を進めていくことが必要ではないかと感じました。

ここはもう少し研究が必要かなぁ。

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(サイクルポートが満車であった時に返却する術もちゃんと考えられていた)

 

次回、子ども食堂についてまとめます。

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こんなところにあるの!?〜佐賀県鳥栖市の市民活動支援センター〜

稲沢市議会議員のしちおうです。

鳥栖市では前回の教科・日本語に加えて、市民活動センターも視察しました。

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鳥栖市の市民活動センターは、なんと商業施設内(稲沢でいうヨシヅヤやアピタ)の一角にあります。買い物ついでにフラッと立ち寄れますし、市民活動というちょっとお堅いイメージを払拭して、これまで興味のなかった人へアプローチできると感じました。

背景

2007年に「私たちの好きなまちは私たちでつくろう」を合言葉に開設。

NPOやボランティアをしている人、これから市民活動を始めようとしている人々が集い、情報交換し、活動を行なう拠点として利用できるようになっている。

 

機能

相談窓口、フリースペース、PCコーナー、レターケース(登録団体用)、ボランティア情報、活動紹介、有料で会議室やロッカー、印刷機コピー機が使えるようになっている。

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市民活動センターでは相談だけでなく、市民活動に必要な知識を身に付けたり、講座が開かれたりしていました。実際にこの講座で新たな市民活動団体が立ち上がる(子どものオモチャを直す“おもちゃ病院”の取り組みを聞いて、鳥栖市で定年後の方々が団体を立ち上げた)などしていました。

 

また、運営の自助努力によって、事業の成果と収益を両立できるよう腐心されていました(バザーを開いて、その売り上げを収益に入れるなど)

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(修理待ちのおもちゃ)

感じたこと

稲沢市にも市民活動支援センターはあります。しかし、どうしても活動団体とメンバーが固定化されがち。そんな中、鳥栖市では新たな活動が広がるよう、事務局が積極的に講座やイベントを企画し、おもちゃ病院の取り組みが始まるなど成果が出ていました。

稲沢市でも新しい活動が始まる仕掛けづくりや、団体とボランティアに参加したい人とのマッチング強化、NPOを作りたい人の申請の手助けなど専門的な相談機能の強化などが望まれるし、市民活動支援センターの場所の見直し(現在の国府宮駅東・総合文化センターから、商業施設内へ移転するなど)も含めてバージョンアップが必要だと思う。

➡稲沢市市民活動支援センター・ボランティアセンター

 

市民活動が盛んな地区は活気があるし、高齢者の拠り所になったり、いろんな世代が交わる場になったり、災害などもしもの時に頼れたりします。稲沢市でも更なる取り組みができないか、視察内容を参考にして3月議会の中で触れていこうと思いました。

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