稲沢市議会議員のしちおうです。
当市にある産廃業者“ダイコー株式会社”で廃棄物の撤去が始まり、視察して来ました。
CoCo壱番屋カツ横流し事件
事の発端は、CoCo壱番屋から受託した廃棄物(ビーフカツ等)を、産業廃棄物業者のダイコーが一部を処理しつつも、残りを不正転売したところから始まりました。
ダイコーの敷地内には、処理されていない廃棄物で溢れており、これをどうするか?が課題。元々、ダイコーに廃棄を依頼した事業者へ回収指導がなされましたが、納入元を特定できない物も約50%ほどあり、官民一体となって撤去へ乗り出しました。
(廃棄物はドラム缶などに入り、中身=出所を確認するだけでも大変な作業)
現場は、近くに民家や施設があるにも関わらず、ものすごい臭気が漂っていて、特に電気が止まって中身の食材の腐敗が懸念されていた冷蔵庫は、目が痛んでその場に居られない程でした(臭いが強くなると、刺激物になるのだと痛感した)
夏場になって、腐敗等に伴う悪臭や害虫等の発生による周辺の生活環境への影響を懸念し、敷地内では、朝から晩まで愛知県職員、稲沢市職員、元ダイコー職員等が作業していました。本当に頭が下がる思いですが、これも数ヶ月先まで続く果ての見えない作業…
税金による処理(約4000万円が予算計上※)には否定的な意見が多くあると思いますが、現場を見ると、これ以上悪化する前に撤去しなければならない、周辺に与える影響が大きすぎると、緊急性を痛感しました。
(※一般社団法人愛知県廃棄物協会、愛知県衛生事業協同組合、オオブユニティ株式会社、豊田ケミカルエンジニアリング株式会社、サンエイ株式会社、公益財団法人愛知臨海環境整備センターの無償協力により約2億円ほど所要額は減少している)
今回の廃棄物問題は、ダイコーだけのものなのか?
調べて思ったのは、今回の横流し事件も廃棄物の不適正な保管も、氷山の一角なのではないかという疑念です。写真を見て頂くと分かる通り、数日で積み上げられる廃棄物の量ではありません。近隣から悪臭の苦情が以前からあげられていたことからも、ずっと前からこの状態であることは分かっていたはずです。
県は何度か指導に入ったようですが、未然に防ぐことはできませんでした。このままでは、近隣にまで及ぼす程の被害になることは素人目に見ても分かりそうなものですが、防ぐことができなかった。つまり、きっと、このような業者は他にもあるし、現状の対応方法では不充分であるということです。
CoCo壱番屋という名前や出来事に目がいって、何故ここまでのことになったのか?、第2のダイコーを作らないためにはどうすれば良いか?まで目がいっていない。とても危険なことだと感じます。
では、どうすれば良いのか?再発防止のためには、廃棄物処理業者の管理徹底、廃棄物のルール変更など抜本的な見直しと、食品廃棄に関して改めて考え直す必要があります。
食品ロスを減らすために〜1/3ルール〜
食品業界には、他国より厳格な食品廃棄の暗黙ルール(1/3ルール)があり、賞味期限前の大半の物は販売されず廃棄されます。
賞味期限が6ヶ月の場合、残り2ヶ月もあるのに廃棄となるため、食品ロスが大きく、一方で、廃棄まで日数がある分、不正転売される確率も高まります。
フランスでは、昨年いわゆる“反フードロス法”として大型スーパーに売れ残り食糧の廃棄を禁じ、慈善団体への寄付を義務化、食品ロスへの機運は高まってきています。
稲沢市の行くべき道
食べ頃ギリギリの野菜や買い過ぎた加工品と合わせ、持て余した食材をみんなで持ち寄っておいしく調理する、生活困窮者への無償提供を行なうなど、食品ロスへの取り組みを進めることが、今回の問題を生かす意味でも市には必要であると私は思います。
市・民間業者・寺などで一体となりフードバンク結成、ドギーバッグの活用など、食品廃棄を社会貢献と合わせて取り組んだり、生活困窮者への無料塾と合わせて子ども食堂を開くことを考えていたので、これを機に新たに調査していきます。
個人としても、“もったいない”の精神を、改めて持とうと思いました。まずは、一人一人が食品ロスを減らすことが必要ですね。
しち おう/志智 央
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