稲沢市議会議員 しちおう ブログ

不登校を経て、作業療法士として病院に勤務、現在は稲沢市議会議員として活動する「しちおう」のブログです。

提案がカタチになりました!〜稲沢市のふるさと納税〜

昨年9月の議会で、「ふるさと納税の返礼品に、空き家の庭などを納税者に代わって清掃するサービスを追加しては?」と提案したところ、今年度から導入されました!

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情報は、中日新聞の朝刊(地方版)を読んで、「なんか見たことある…というか喋ったことのある内容だな…」という感じで知りました(笑)

 

ふるさと納税の現状と新サービスの狙い。

ふるさと納税は、居住地以外に寄付(納税)できる制度で、寄付の大部分は控除されます。そのため、多くの自治体で高額な返礼品を出して、寄付を募る過当競争となっています。

稲沢市は、ふるさと納税により入るお金と出ていくお金との差が、27年度 マイナス約6500万円。本来、入るはずだった税収が他自治体へ流れてしまいました。

高額納税者ほど控除限度額が増す➡お金持ちほど恩恵を受けられる側面もある)

 

 

縁もゆかりもない土地に納税する時点で「ふるさと納税」ではないため、私は本制度に否定的です。また、過当な競争の中で自治体が消耗することも危惧しています。

稲沢は、お米やお肉といった目玉となる名産もないので、それとは異なる価値観のサービス(かつ、ふるさと納税の趣旨に反しないサービス)を!と思い、冒頭に示した案を話しました。

本サービスは、新聞に記載された通り“空き家対策”にもなりますが、他にも、市内に残した親へ向けて庭の掃除や樹木の剪定、草取りを行なう「親孝行」として使えます。稲沢市は植木・苗木が盛んなためか大きな庭が多くて、高齢者にとって草取りや剪定などは大変そう。きっと、市外に出た人が親孝行をしたいと合わせれば、需要はあると考えて提案に至りました。今後、利用してくれる人が増えてほしいですし、市内の方から子どもへリクエストするのも良いと思います。

 

 形作る人。

自分の提案がカタチになった喜びを書きましたが、私がしたのは考えを示すまで。アイデアを真剣に受け止め、形に成したのは職員さんの力です。感謝しかありません。

 

 

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これ以外にも、稲沢の土地利用を考える上で参考になる事例を発見したので、江南市役所まで直接伺ったり、精力的に動いています。これからも、おもしろい取り組みを考えていきますので、乞うご期待!!

 

しち おう/志智 央
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もっともらしい言い訳を考える前に、他にできることを探せ。

私のいる議会や役所、様々な会議で接する多くの方々は、上の年代だ。

私は子どもと同じ、下手したら孫くらいの歳に当たる。それだけ歳の離れた者の意見を素直に聞くことが出来るかと言うと、自分自身でも難しいと感じる。だから、私は私の意見が「年齢故に」通りにくいと感じていた。

 

そんな時、知人から「言葉の説得力は年齢ではなく、実績で増す」という言葉をもらった。私は、なんだか打ちのめされたような気持ちになった。意見が通りにくいのは、年齢のせいではなくて、単純に言葉に説得力がないのだと気付いたのだ。

 

 

「若いから、軽んじられたり、意見を聞いてもらえたりしない」というのは、ただの私の言い訳だった。同年代にサッカーの本田圭介選手がいるが、彼であれば対等に渡り合っただろうし、みんなは耳を傾けていたように思う。それは年齢ではなく、言葉の持つ説得力や言葉を発する人の実績および力なのだと思う。

私は、自分自身の力不足に、もっともらしい理由を付けて、意見が反映されないことに傷付かないようにしていた。自分で解説していて情けなくなってくるけども…年齢や肩書きのなさを嘆くよりも、実績を積んだり、伝え方を工夫したりするなど、やれることはまだたくさん残されていた。

 

 

私はきっと、いろんなところで、自分に都合の良い言い訳をして、問題の本質から逃げている場面がある。気を付けていてもいつの間にか陥って、誰かの言葉によって目が覚め、ひとしきり落ち込んだ後に、新たな一歩を踏み出す。そんな繰り返しで生きてきて、これからもそんな感じなのだろうと思う。

 

 

もし言われなければ、ずっと言い訳をして過ごしていただろうから、耳の痛い助言に感謝している。ちっぽけな自分を、都合の良い言い訳で守らずにいたい。

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いつか問われる日に備えて〜憲法記念日〜

日本国憲法が施行されて70年が経った。

今回は、昨年に引き続いて、記念日だけでも思いを馳せようキャンペーンを実施する(だいぶ出遅れたけど…)

私にとって、憲法記念日はG.W.の祝日という認識でしかなかったが、今の仕事に就いて、そして「憲法を変える」と訴える人たちが出てきたことによって、以前よりも考える機会が増えた。憲法を変えたい筆頭者である首相は、2020年までの改憲を目指していて、国会議員の半数以上も同様の考えのようだ。世論調査でも、ここ数年の間で改憲と護憲が拮抗し、憲法論議の機運が高まっているらしい。

 

 

…え、そんなにホットな話題だっけ。

というのが私の正直な感想で、周りで憲法の話を口に出す人は少ない。世論調査を細かく見ると、「改憲が必要」と答える人が4割を超える中で、「現憲法が日本にとって良いものである」と答える人は9割に上っており、「どっちやねん」というよく分からん状態。さらに言うと、改憲が必要と聞きつつも、全103条ある憲法のどの部分かには言及されていないので、特別「こう書き換えたい」という強い思いはなく、どちらでも良い人がほとんどなのだと思う。

 

私たちの世代は、仕事、恋愛、子育てなど生活のことで手一杯だ。 ただ、その生活の根幹を支えるのが憲法である認識を、少しずつ教育の中で育んでいく必要がある。その結果、議員ではなく国民の多くが改憲へ向けた声をあげた時に進めていけば良いのではないだろうか。

 

 

 

ちなみに、変える必要性があると言われる条文はどんなものか。

一番論議されているのは、9条だ。

⒈日本国民は、正義と秩序を基調とする国際平和を誠実に希求し、国権の発動たる戦争と、武力による威嚇又は武力の行使は、国際紛争を解決する手段としては、永久にこれを放棄する。
前項の目的を達するため、陸海空軍その他の戦力は、これを保持しない。国の交戦権は、これを認めない。

簡単に言うと、「戦争の放棄、戦力の不保持、交戦権の否認」で、憲法の三原則・平和主義を表すが、世界有数の戦力である自衛隊の保持が、戦力の不保持に違反するために改憲するということらしい。

 

 

え、いまさら?と思いつつ、憲法の成り立ちなどについて紐解き、私は、3つの理由で今のままでも良いんじゃないかと解釈した。

①今まで政府は、「自衛のための戦力は保持できる」と憲法を解釈、自衛隊は国民の理解も得ている、②憲法制定時に同様の議論がされて、修正されている(芦戸議員によって自衛のための戦力保持を可能とする修正がなされ、悪用を防ぐために“内閣は軍人以外で構成される”旨が憲法第66条第2項に追記された)、③政府は、国民の安全を保護する義務があると書いた憲法13条により、生命を守るためにあらゆる措置をとらなければならないため。

憲法13条

すべて国民は、個人として尊重される。生命、自由及び幸福追求に対する国民の権利については、公共の福祉に反しない限り、立法その他の国政の上で、最大の尊重を必要とする。

 

  

次に、押し付け憲法論だ。

憲法は、アメリカによる作成で日本が独自で作る必要があるらしい。

憲法制定の流れを復習すると、GHQ連合国軍総司令部)が草案作成→日本政府が修正→議会で修正→完成。だけど、その前に、国民が自主的に憲法研究会を作って、案を作成→GHQに提出、草案に影響を与えている(前述した9条も、幣原元首相による提案)

日本人が草案に関わり、日本人に議決され、70年間使ってきたものは、日本人のものだと思うので、私はこのままでも良いんじゃないかと解釈している。

 

 

他にも、憲法策定当時にはなかった価値観の付与や教育の無償化もある(個人的には改憲ではなく、立法の範囲で補えると考える)が、私が本当に言いたいのは「改憲ありき、護憲ありきではなく、一つ一つの条文と歴史を確認しながら議論を深めよう」ということだ。

今の議論は、どちらも極端に寄り過ぎていたり、結論が先にあったりして、話し合う余白がない。私は、教科書で習った「憲法は国民の権利を保証し、権力を制限するもの」という原理すら忘れていた人間だけど、案外そんな人ばかりじゃないだろうか。まずは、ケンポーって何?って人が、憲法に触れるところから少しずつ始めていくことが重要だと感じる。

 

 

だから、私は、“ケンポー”を“憲法”として捉えられるよう、まず自分から始めている。何を護って、何を変えなければならないのか、いつか問われる日が来るかもしれないから、その時に自分なりの答えを持っておきたいからだ。

みなさんは、どうだろう。憲法をどう捉えて、これからどうしていきたいですか?

 

【オススメの読みもの】

9条と13条の兼ね合いについて参考になりました〜憲法学者 木村草太氏のコラム〜

憲法9条の捉え方について参考になりました〜ASIAN KUNG-FU GENERATION 後藤正文氏のコラム〜

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