先日、ノーベル賞の授賞式が行なわれました。
日本からは、ノーベル医学生理賞を受賞された本庶佑さんが出席。
がんの治療に繋がる仕組みを発見した功績によるもので、
この研究によって誕生した新薬オプジーボは多くの患者を救っています。
きっと、これから、がんの免疫療法は発展していき、
もっと多くの命を救うことになるのでしょう。この功績を心より祝福しています。
そして、願わくば、多くの人が使えるような水準になること。
一般的な治療法になることが望まれます。
画期的な新薬の光と影
オプジーボは現在、皮膚がんや肺がん、胃がんなど7種類のがんに使用できます。
最初は皮膚がんへの適応から始まり、
年間で一人当たり3000万円以上のお金がかかりました。
その後、皮膚がん以外へのがんへ適応が広がり、今後も増える見通しです。
あまりにお金がかかり過ぎるので、
国は今までのルールを曲げてまでオプシーボの値段を下げさせました。
しかし、それでも年間で一人当たり1000万円以上のお金がかかります。
患者の負担は1〜3割なので、その多くは保険料から支払われます。
(高額医療費の上限に達すれば、それ以上は全額保険料負担)
医薬品の値段の高騰は、オプジーボだけではなく、他の新薬にも言えます。
新薬の製造には莫大なお金がかかるため、致し方ないのでしょうが、
この状況が続けば、日本の医療保険制度は益々厳しい状況になるでしょう。
薬を使いたいし、新しい薬を作ってほしい、
でも、お金がかかり過ぎるために、このままだと医療の制度が持続できない。
とても難しい問題です…
海外で認証された薬を国内で使う際の制限の緩和、
薬の認証の効率化、薬価の設定法の見直し(費用対効果の更なる検討)、
保険料や患者負担の見直し、新薬の使用に関するルール作りなど、
持続可能な医療保険制度に向けて、できることを考えていかねばなりません。
今回の受賞を受けて、「本庶さんが着物を着ています!」とかよりも、
伝えてほしいし、知りたいし、話し合いたいテーマだと感じるなぁ。
稲沢市議会議員 しち おう/志智 央
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