稲沢市議会議員 しちおう ブログ

不登校を経て、作業療法士として病院に勤務、現在は稲沢市議会議員として活動する「しちおう」のブログです。

【2022年12月議会報告その3】不登校の子どもの支援

稲沢市議会議員のしちおうです。

12月議会で登壇した項目のまとめ。最終は「不登校の子どもの支援」です。

 

文部科学省の調査によると、2021年度の不登校児童生徒数は24万4940人と過去最多。

2020年度と2021年度の増加割合も最も大きかったです。

稲沢市はというと、2020年度は小学生72名、中学生171名の合計243名。2021年度は小学生101名、中学生196名の合計297名で全国の傾向と同じく過去最多でした。

 

297名は、稲沢市でいうと一中学校と同じ規模。

これだけ不登校の子どもが増えているという事実を思うと、「いかに不登校を減らすか」から「いかに学校以外の学びの場を保障するか」に考え方を転換することが必要だと感じます。

そして、不登校の数字以上に大切なのが、子どもが学校に行かない状態でも学びを継続できているか?です。不登校の子どものうち、公的な教育施設である適応支援教室明日花に通う子、フリースクールなど民間の教育施設に通う子はそれぞれ何名みえるのでしょうか?

教育委員会の回答

適応支援教室明日花に通う子は2021年度に39名。フリースクールに通う子は4名。

学校を100日以上欠席して、自宅学習のみで過ごしていた子は、小学校で57名、中学校で97名の合計154名。

つまり、学びを継続できていない、あるいは家族以外の誰かと繋がっていない可能性が高い子が少なくとも154名いるということ。彼らの支援が急務であるということなのです。

 

支援策として提案したいのがオンライン学習教材の活用オンライン授業の導入です。

・オンライン学習教材の活用

オンライン学習教材を用いれば、自宅で学習を続けられる可能性が高まります。

稲沢市はルール作りや家庭のネット環境への対処が進んでおらず、タブレット端末の自宅への持ち帰りが進んでいませんでしたが、進捗状況は?

教育委員会の回答

各学校でのルール作り、ネット環境への対処(通信機器の貸し出し)を進め、今夏すべての学校でタブレット端末の持ち帰りとオンライン学習教材を活用した家庭学習を実施した。

オンライン学習教材は、子どもの学びを止めないことだけでなく、苦手な項目を自覚し重点的に再学習したり、得意な項目の学びを深めたりでき、すべての子どもの利益になります。

教員にとっても子どもの苦手・得意の把握に加え、宿題を自作しなくて済むなど負担軽減に繋がります。一方で、活用できている子どもと教員と、そうでない子どもと教員とでだいぶ差が出てきているので、優れた実践例を共有して標準化できるようお伝えしました。

 

・オンライン授業の導入

6月末に不登校の子の保護者から、愛西市でオンライン授業が導入されたと聞きました。

稲沢市は対応していなくて困る」とも言われ、住む場所によって不登校になった時の選択肢が異なるというのはつらいことだと感じました。

その場ですぐに教育委員会に情報共有しましたが、オンライン授業の進捗状況は?

教育委員会の回答

6月末に情報提供頂き、他市町の実施状況を調査。小中学校長会と検討を重ね、ルール作りをした上で、10月中旬に各家庭へ周知。一斉での臨時休業時と継続的な心の不調によって教室で授業を受けられない子どもを対象に、双方向のオンライン授業を開始した。

2022年12月現在、7名の申請があった。

→ オンライン授業の導入はコロナによる一斉休校の時から言っていたので、3年越しの実現になりますが…ぼくの情報提供をキッカケに急展開で進んだことはとても良かったです(もちろん、教育委員会と現場の教員の努力の賜物です)

 

他にも、子どもの安定のためにも保護者の支援(相談会や当事者同士で繋がれる交流会の開催)などが必要であるなどの提案をしました。

 

ぼくが不登校であった20年前と比べて、ずいぶんと支援は拡充されました。

一方で、子どもたちを取り巻く環境も大きく変わり、生きづらさを抱える子が増えています。

いろんな選択肢を増やして、その隙間を埋めていきたいです。

 

なお、登壇後もスクールカウンセラーの方にお話を伺いに行くなど深掘りをしています。今回の質問・提案で終わらずに、当事者の声を聞きながらさらなる改善を訴えていきます。

今回もながいながい議会報告を最後まで読んで下さって、ありがとうございました!!