稲沢市議会議員のしちおうです。
前回に引き続いて、6月議会での一般質問(市政について、質問および提言を行なう場)の内容を簡単に振り返ります。今回のテーマは、誰にとっても見やすい文字を目指して開発された書体 ユニバーサルデザインフォント(以下、UDフォント)」です。
UDフォントとは。
まず、この図。
最上段にあるフォント”明朝体”は、よく使われる書体ですが、ひらがなの「り」は実際にはこうは書きませんよね。「通」の”しんにょう”の部分もそうです。
これがディスレクシアにとっては読みにくい、読み間違えやすい。
最下段にある”UDデジタル教科書体”では、改善され、実際の書き文字と同様になっています。
英語でも"g"など実際の書き文字の違いを改めたり、数字の”1”とアルファベットの”I”とを見分けやすいように配慮されています。
”UDデジタル教科書体”は通常の”教科書体”や”ゴシック体”にある読みづらさと書き順の教えにくさといった教育現場の課題を改善したフォントになります。
UDフォントの読みやすさはすべての子どもの利益になる。
2019年2月、奈良県生駒市教育委員会が小学生116人を対象に行った実験では、
文章を読んで正しいのか、誤っているのかを判断する問題を、UDフォントと一般的な教科書体で36問ずつ解いてもらったところ、教科書体で66%だった正答率が、UDフォントでは81%に跳ね上がりました。
つまり、UDフォントに変える、たったそれだけで、学習障害の子だけでなく、すべての子どもの学習意欲を向上させることに繋がるのです。
UDフォントの使用料
2018年に導入されたWindows10以降には標準でUDフォントが入っています。
したがって、無料で、今すぐやろうと思えば出来ます。授業の資料やテスト問題、保護者に配布するプリント等でこのUDフォントを導入して頂けないでしょうか?
・教育委員会の回答
UDフォントは、さまざまな案内板等で取り入れられるようになり、識字に困難を抱える児童生徒にとって効果的。最近では授業で使用する教科書や市販されているプリント類にも採用され、ディスレクシアに対する配慮がなされるようになってきている。
教育委員会においても、UDフォントを学校現場で活用することのメリットを教職員に十分に周知し、様々な場面で効果的に取り入れていくよう働きかけていく。
教育現場以外での活用。
UDフォントは、ディスレクシアの子どもだけでなく、高齢者や障害者など、多くの人にとって読みやすい文字です。市役所が市民向けに発行している書類、チラシはたくさんあります。これらにも全面的にUDフォントを導入して頂けないでしょうか?
・市役所回答
市民の皆さんに市政に関する情報を正しく理解していただくため、通知文や案内文などの一般文書のほか、チラシやパンフレット、ホームページなど、様々な形で情報発信を行っています。
市民にとって、見やすく、読みやすく、分かりやすい文書を作成し、その内容を正しく伝えることは、市の責務です。
ご提案のUDフォントはそのための方法の一つなので、先進事例を調査研究の上、全庁的な活用に向けて、関係部署間で協議を進めていきます。
今回の質問により、⑴ 小中学校の教職員にUDフォントを周知する。⑵ 市役所全庁的にUDフォント導入の可能性を探る。旨の答弁を頂きました。
教育現場での使用は各教員の判断になりますが(是非、使ってほしい…!)、このUDフォントを通してディスレクシアのことを知って頂く機会になれば良いと感じています。
最後は、不妊治療について。つづきます!
forms.gle稲沢市議会議員 しち おう/志智 央
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