稲沢市議会議員のしちおうです。
12月議会での登壇(一般質問)を終えました。
今回扱ったテーマ、⑴ 認知症、⑵ 医療的ケア児について、結果を報告しますね。
⑴ 稲沢市の認知症支援について
・はじめに
国の調査では、認知症高齢者の割合は2012年に15%を超え、2025年には20%に達し、5人に1人が認知症になると推計されています。
また、認知症を発症する前段階と見られる軽度認知障害(MCIと言います)を含めると、人口の1割近くが認知症、またはその予備群と呼ばれる状態になります。
高齢者人口がピークを迎えるのは20年後の2042年と言われており、今後も増加傾向が続きます。稲沢市もさまざまな認知症支援策を講じていますが、とりわけ、認知症の早期発見・早期介入と当事者の社会参加について議論します。
・しちおう
認知症の前段階である軽度認知障害(MCI)の約半数は、5年以内に認知症に移行すると言われる。MCIのうち、すべてが認知症になるわけではないけど、この段階から運動などの予防的活動を開始すれば、認知症の進行を遅らせることが期待されるんだ。そのためにも、認知症の人を早くに見付ける仕組み作りが必要だよ。
神奈川県横浜市では、2020年から市内の医療機関で簡易検査を行ない、認知症の疑いがあった場合に専門機関を紹介する「もの忘れ検診」を行なっている。
担当課に問い合わせたところ、大変好評で、2021年からは実施を拡大していたよ。お金も見積もったところ、年額16万円ほどで出来そう。導入してはどう?
・市役所
「もの忘れ検診」は近年、大都市を中心に実施されているが、稲沢市で行う場合、医師会や医療機関の協力はもとより、疑いが確認された後の専門医療機関等の支援体制が不可欠。実施した場合の効果等を含め、他市の状況を参考に精査していく。
・しちおう
稲沢市民病院には、高齢者の総合的な内科診療を行なう「老年内科」があるね。
「疑いが確認された後の専門医療機関の支援体制が不可欠」と言ったけど、もの忘れ検診で認知症の「疑いあり」とされた人を市民病院の老年内科に誘導すれば、コロナ後の市民病院の経営の助けにもなる。是非、導入を。
・しちおう
横浜市への取材をキッカケに神奈川県の「認知症施策推進協議会」の議事録を読んだ。
そこではなんと、認知症当事者が協議会委員を務めていて、県の行なう施策に対して、患者の立場としてどう感じているかを話し、政策に反映させていた。とてもいい取り組みだ。
一方で、稲沢市の介護保険事業計画・高齢者福祉計画には当事者が参加していない。次の第9期計画はもちろん、その他、認知症に関係する会議があれば、当事者の人に参加して頂けるよう今後は調整してほしい。どうだろう?
・市役所
認知症の当事者がどのようなことに困っているか、また、どのようなことを期待するかなど、自身の経験や将来の希望などを伝えて頂くことは、計画を策定する上で貴重な意見となる。
次期計画策定時には、認知症の当事者または家族介護者なども委員として参加して頂き、幅広い意見を取り入れていきたい。また、会議等でも、直接、認知症の当事者等の意見を聴く必要が生じた場合は、参加して頂ける仕組みをする。
※実際のやり取りとは言葉遣いや詳細は異なります。正式には後日公開される議事録をご確認下さい。
議会では、他にも、認知症への理解を深めるために、当事者本人が思いを直接伝え、その人らしい活動を発信する「認知症本人大使」の提案などを行いました。
今回の認知症の早期発見・早期介入については、ぼくが病院で働いている時に経験した認知症検査(認知症疑いの人に簡易検査を行い、主治医らと情報共有していた)をベースとしています。
介護予防・認知症予防は初当選以来ずっと言ってきたことなので、今回の提言をキッカケに稲沢市の施策が前進することを願っています。