稲沢市議会議員のしちおうです。
東京オリンピックが閉会しました。
みなさんはどんな思いで今大会を見ておられましたか?
5年前の2016年。
ブラジルで開催されたリオデジャネイロオリンピックでは、直前まで会場の建設が行われるなど、準備が遅れに遅れていました。
その報道を目にした時に抱いたのは、「日本と比べてブラジルはまだまだなのだろうな」「日本でオリンピックが開かれる時はもっと計画的に、問題なく、行われるだろう」という感想でした。
ところが。
実際の東京オリンピックでは、① 国立競技場を建て替える際に当初案が撤回、② オリンピックを象徴するエンブレムに盗用が認められた、③ 女性蔑視発言による会長の辞任、④ 容姿を侮辱する演出案による演出統括の辞任、⑤ 過去の問題行為による音楽および演出担当の辞任など、ごたごたが続きました。
ごめんブラジル。すまなかったリオデジャネイロ。
日本の、東京の方が、まだまだだった。数ヶ月前どころか数日前まで混乱していた。
ぼくが今回のオリンピックで一番感じたのは、感動ではなく、日本の悪いところだった。
これまで見えなかった、見ようとしてこなかった、日本の悪いところ。
特に人権に対する意識の低さは国際的な行事において際立ったし、大会の理念の一つであったろう”東北の復興”は招致のための方便に過ぎず、緊急事態宣言下の開催と合わせて大きな目的のためなら小さなものを切り捨てる姿勢に映った。
また、競技場の建て替えやエンブレムの選定、開会式・閉会式に携わるスタッフの辞任などの背景には、密室の会議で全てが決まり、決定権を持つ者がごく一部の力ある者に限られていることにもあったように感じた。
でも、それは、「東京オリンピックの悪いところ」ではなく、「日本の悪いところ」なのだと思う。つまり、ごくふつうに、日本の至るところで、こうしたことは起きている。東京オリンピックで起きた数々の混乱を、ひと事だとは、ぼくはとても思えなかった。
一方で、収穫もあった。
これらのごたごた、混乱が表に出たのは、「問題だ」という風に多くの人が感じたからだ。
人権に対する意識は一朝一夕に身に付くものではないけれど、いじめという名の加害や人種や体格、性別等への差別、悲惨な歴史を省みることなどを、これを機会に改めていけると良い。
東京オリンピックの基本コンセプトには、「全員が自己ベスト」、「多様性と調和」、「未来への継承」の3つが掲げられていたと言う。
さまざまな問題が噴出し、さらに予算の支払いや跡地利用などこれからも問題の続く東京オリンピックを、開催して良かったと少しでも思えるように、今回見えた目を逸らしてきたことと対峙して、未来へ継承していきたい。
稲沢市議会議員 しち おう/志智 央
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