稲沢市議会議員のしちおうです。
大人になると、誰しも一度は、死に際って考えると思うんです。
「病院ではなく家で死にたいな」とか、「家族に見守られながらがいいな」とか。
でも、現実は残酷で、命の危険が迫った時、約7割の人はこれからの医療やケアなどについて自分で決めたり、人に伝えたりすることができなくなると言われています。
自分のことを自分で決められなくなったり、家族が代わりに決めなきゃいけなくて迷ったり、悩んだり、時に下した決断に後悔したりする。
病院ではそういう患者さんと家族がたくさんいました。
だから、ぼくは、①事前に、②本人と家族だけでなく医療者も交えて話し合い、③今後の治療計画を作って、定期的に見直すことがとても大切だと考えています。
2017年に厚生労働省が行なった調査によると、55%の人は家族や医療・介護関係者らと話し合ったことがなく、意思表示の書面を作成している人はわずか8%。
事前に話し合うことの重要性は多くの人が賛同するが、実際に行動に移す人は少ない。
これらの課題の解決策の一つとして注目されているのが、ACP(アドバンス・ケア・プランニング)です。
日本語に直訳すると「事前に自分自身のケアについて計画する」で、国はこのACPに人生会議という愛称を付けて取り組みを推進しています。
具体的にはなにをするのかと言うと、本人と家族、医療者で話し合うことで、どんな治療を望むのか、どんな最期を迎えたいのか、を明確にします。
そうすることで、もしも急に病に倒れたり、病状が悪くなったりした時にも、納得いく医療が受けられやすくなりますし、周囲の人が本人に代わって意思決定をしなければならなくなった時にも、家族間でのトラブルを減らすことができます。
いま、稲沢市では市民病院が「がん相談支援センター」の中でACPを行なったり、各病棟にACPを理解する職員を置いたり、院外への講習(ケアマネや市民に対して)を行なったりしています。
また、市役所は、医療・介護従事者に対してACPの研修会を開いたり、市民向けの出前講座や公開講座で扱ったりして普及啓発に努めてくれています。
ACPの認知度は、医師で22%、看護師で19%、一般の人は3%と低いです。
そんな中、病院と行政が頑張っている稲沢市はすごいと思っていて、強みにしたい。
ぼくは、稲沢市の医療・介護従事者でACPに関する勉強会を開いて、各領域で課題出しと解決策を考えるワークショップを行ない、すべての人が自身の将来のケアについて家族や医療者と話し合って自己決定ができる、それがスタンダードになる。そんな理想を思い描いています。
先日登壇した3月議会では、ACPの普及啓発を兼ねて、以上のことをお話しました。
良い死は一つではなく、多様。人によってそれぞれの良い死があります。病院でのあの悔しさや悲しさを力に変えて、前進させたいと思っています。
・3月の街頭 市政報告会の予定
18日:森上駅 19日:平和町 19日:森上
※天候などの影響で順延する可能性があります。
参集頂ける場合は、事前連絡頂けると幸いです。
時間は7〜8時30分 国府宮駅のみ7〜10時に開催。
新型コロナでの困りごとなど、気軽に相談下さい。
稲沢市議会議員 しち おう/志智 央
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