稲沢市議会議員のしちおうです。
新型コロナウィルス感染症が発生した時に大きな課題となるのが、患者の情報をどこまで公開するか?です。
公表しない場合、「プライバシーを守るためです」と説明しても、ダメで。「なぜ隠すのだ」と言われたり、個人の特定を図ろうとする動きが出てきたりします。時には、不正確な情報が飛び交い、当事者でない人にまで火の粉がかかることも。
公表した場合、公表しない時と比べて非難は少なくなると思いきや…「A社で出たと聞いたが、性別は?年齢は?どこに住んでいる?」などとさらなる追及にさらされます。
つまり、どちらを選んでも問題は発生するんですよね。人は不安な状態に陥ると、少しでも安心するために情報を求める心理が働く、ということだと思います。たとえ、それが誰かを傷付けようとも。
学校を例にとると、同じ愛知県内でも、学校名の公表・非公表で対応が割れています。
稲沢市の場合、市立中学校で陽性者が出た時に学校名を公表しました。
個人の特定がされない範囲で情報を出すことで、事実と異なる不正確な情報がSNSなどを通じて広まったり、他の市立中学校への影響を防いだりするための苦渋の判断だったろうと思います(実際には、公表前に地元の人には知れ渡っており、会う人会う人が口にしていて度肝を抜かれたのだけれど…)
陽性者の情報を公表するのか、しないのか、正解はありません。
大切なのは、事前・事後のフォローで、特に学校では陽性となった子どもの精神的なフォローを最優先で行なうこと。また、事前に陽性者が出た時の対応を伝えて、心づもりをしておくことで、不安を抑えることが必要だと感じます。
そして、陽性者への誹謗中傷に備えて、専門の相談窓口を設けることが必要です。
市役所には顧問弁護士がいますし、無料の法律相談をやっています。ぼくは、警察と連携して、被害があった際に対応できる体制を整えられれば、安心に繋がると考えています(岐阜県飛騨市では、①相談窓口の設置、②警察との連携、③市役所内に誹謗中傷対策チームの設置を行なっている)
ただ、本当はね。
公表するかしないかで悩まなくていい、誹謗中傷や風評被害に悩まなくてすむことが一番良いです。しかし、残念ながら今の日本はそうではない。そして、それが一番の問題だと感じます。
「どこの、誰だ、なぜ罹ったのだ」よりも、まずは「お大事に、早く治ることを祈っているよ」という言葉がくる社会にしていきたいよね。
稲沢市議会議員 しち おう/志智 央
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