こんばんは。
遅くなりましたが、視察の報告の続きを書きますね。
⬇ 初日の様子。
立体交差事業とは、鉄道を街の上下に動かす(上なら高架、下なら地下)事業で、
必然的に踏切は無くなり、交通渋滞も解消。
さらに、鉄道で隔てられていた市街地の分断も解消できるものなります。
(イメージ図)
多くは、図のように鉄道を道路上に持ち上げるのですが、調布市はなんと地下です!
なぜ地下なのかと言うと、
鉄道を高架化すると、どうしても騒音や空が遮られる問題が出てきます。
調布市も上記の理由から市民の反対があり、50年前からある立体交差の計画が頓挫。
しかし、調布市だけではなく、鉄道鉄道会社もなんとか踏切を解消したい思いがあり、
(1時間に1度しか開かない開かずの踏切が複数あり、停車時間も長くなりがちでダイヤ改正の妨げになっていたらしい)
地下化に伴う多額の費用を鉄道会社が負担することで事業が進み始めました。
今では、鉄道が通っていた跡地を有効活用したり、
駅周辺を再開発することで住居や施設が立ち並んでいました。
上手くいった背景としては、調布市の構造にあります。
実は、駅から1km圏内に市民の78%が居住し、商店街の77%、小売店舗の75%、病院・診療所の82%が立地し、鉄道駅周辺に人口と主要な生活施設が集積しているんですね。
鉄道を立体交差させると、km当たり〇〇億円とお金がかかりますが、
調布市はコンパクトな街なので、
短い距離で多くの踏み切りを解消でき、多くの市民が恩恵を受けられたというわけ。
稲沢市も鉄道の立体交差を検討していますが、
面積が大きく、踏切が散在、鉄道の沿線も田畑が多いために効果は限定的です。
そして、もう一つ気になったのが、街の光景です。
駅前のフリースペース以外は、高層ビルに商業施設、チェーン店が立ち並びどこにでもあるような個性のない姿でした。人口も現在は他市からの流入によって増えていますが、今後は高止まり、その後は減少する見通しで、立体交差や駅周辺の街づくりだけでは少子高齢化は止められないことが分かります。
個人的には、稲沢市の場合は一部の道路を鉄道の上に上げて踏切や渋滞を防止しつつ、
自動運転やIot、シェアリングなどによって市民の移動法自体を再構築し、
高架分の予算をその他の事業(主に子育てと教育)に充てる方が良いと考えています。
いずれにせよ、今回の視察で成功例と稲沢市との地理的条件の差が見え、勉強になりました。
ちなみに、調布市は駅前にフリースペースを設けたことで、毎週末に各種イベントが開かれ、賑わいが生まれていました。これは、とても良い取り組みで、参考になりますね。
(駅前マーケット)
(街中ラグビー)
(街中ナイトシネマ)
最後までお読み下さり、ありがとうございました!
前後編にわたった視察の報告はこの辺で。
稲沢市議会議員 しち おう/志智 央
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