稲沢市議会議員 しちおう ブログ

不登校を経て、作業療法士として病院に勤務、現在は稲沢市議会議員として活動する「しちおう」のブログです。

小児がんの治療によって予防接種の抗体が消える?

9月頃より、小児がんの子を持つ親御さんから相談を受けている。

 

抗がん剤治療を受けると、過去に受けた予防接種の抗体が消えることがある。再接種は実費費用となるため、市による助成をしてもらえないか?」とのことだった。

 

再接種の費用は自費。

抗がん剤治療で免疫が低下することは知っていたけど、まさか予防接種の抗体まで消える可能性があるとは…私は相談を頂くまで知りませんでした。


仮に全ての抗体が消えた場合、負担は20万円を超えるそう。
小児がんの治療にかかる費用は愛知県が全額補助を出しているものの、親の負担は相当な金額(子の治療に付き添うため休職したり、交通費・親の宿泊費などもある)

 

病院勤務時代に、理由は違えど、子のために病院へ通う親御さんの姿が思い出された。

 

改善に向けて。

さっそく、担当課に可能かどうか問い合わせてみる。
「予防接種を受けた者の約1~2割は抗体が付かない(!)小児がんの子に対象を拡大すると、元々抗体が付かない人も補助が必要だと声が挙がり、全てを網羅すると予算が高額となり出来ない」と返答があった。


「行政が懸念することがなにか?」が把握できたため、解決する方法を探す。既に助成している自治体がいくつかあったため電話で調査。加えて、実際にかかった費用と人口から、当市で行なう場合をシュミレーションしてみた。

 

結果、稲沢市内で小児がんの子は現在18名(ちなみに、一宮市は55名いるそう)おり、おそらく年間数万円で収まる。その他、当市が懸念する事象は起こっていないと聞き取った。

 


「“感染症の蔓延を防ぐ”という予防接種の目的を考えると、特別な事情で抗体が失われた場合に限りフォローが必要では?それは結果的に、子育て支援にもなるのでは?」という私の考えと合わせて、担当課へ伝えた。

 

さらなる一歩。

時を同じくして、同様の問題を扱った記事が中日新聞に掲載(ナイスタイミング!)
私も、より根拠を深めるため、来週に専門家を訪ねて名古屋大学病院に行く予定だ。

 


小児がん罹患率は10,000人に1人。でも、誰でも関係者になり得る。

私は今回の予防接種の件を通して、病気のこと、家族が置かれる状況、治療のために仕事が継続できなくなることを含めて、広く知られてほしいし、改善の方向へ進むよう継続して動いていきます。

 

 

なにか進展があれば、報告させて頂きますね。

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【10月24日 中日新聞

 

しち おう/志智 央
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