稲沢市祖父江町では、年に1度「虫送り」と呼ばれる行事が開かれます。
虫送りは、稲に害をもたらす虫を追い払う五穀豊穣の行事で、人々が鐘や太鼓を鳴らしながら、たいまつや提灯を持って田んぼを練り歩きます(昔の日本映画やアニメなどで、そのような場面が見たことがあるかも)
愛知県の無形民族遺産に登録されている伝統行事で、見に行ってみました。
いきなり謎の人形が。名を「実盛様(さねもりさま)」と言います。
本行事の主役です。
この実盛人形がメインイベントの練り歩きの際に先頭を歩きます。
ちなみに、今年の実盛様は小柄とのこと(体を形作る素材が、近年は取れなくなってきたことが理由で、伝統行事を続けることの難しさを感じます)
虫送りスタート。走るサネモリ様。素早すぎて写真がブレていますね。
このまま田んぼに出て、たいまつに火を灯した人々と共に練り歩きます。ぼくはその後を付いていこうとするわけですが、そっと手袋とたいまつを渡されました。
おやおや、なんだか嫌な予感…
田んぼに到着。有無を言わず、たいまつに着火。や、やはり…
たいまつを持って田んぼを歩いています。写真では分かりにくいですが、たいまつの火が大きく、燃えた藁が火花を伴ってこちらに飛んできます。比喩的な意味ではなく、体が軽く燃えます。
田んぼを一周した後、燃え盛る炎の中にたいまつなどをくべます。そして、最後は「昇天!」と叫びながら、主役の実盛様が炎の中に飛び込み、虫送りはフィナーレです。
伝統行事を継ぐ、ということ。
この虫送り行事も、素材が集めづらくなったり、参加者が減ってきたりしています。
行事の主旨は、「お米がたくさん取れるように」ですが、ぼくは今回参加させてもらう中で、実盛様の人形やたいまつを作るために老若男女が集まって、力を合わせることに価値を感じました(いろんな年代の人が関わっていて、地域の顔の見える関係づくりにも繋がっている)
燃えそうになる(というか燃えた)大変さも含めて、とても見所のある素敵な行事。
もっといろんな人に知ってほしいし、参加してほしい(地域に関係ない人も、人形作りと練り歩きに参加できると良いのにね)
稲沢にはいろんなおもしろい行事があります。また報告しますね。
しち おう/志智 央
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