一泊二日で行政視察に行ってきました。
・行政視察とは…
年に一度、委員会(議員は、3つある専門部会のいずれかに所属する)ごとに、国内の先進事例を学びに行きます。行き先は、当市の課題を踏まえて正副委員長が主に決めます。
⒈藤沢市〜見映えの良い計画から、機能する計画へ〜
度々ブログでも取り上げていますが、稲沢市は市の指針となる計画(今後10年の設計図)を作成中です。しかしこの計画には、いくつかの課題があります。
①市長が変わると、今まで立てた計画がガラッと変わる可能性がある
②市の事業の全範囲が網羅されており、結局なにが最重要で、優先的に行なうのかが見えない(全範囲を書かないことで批判されることもあり、バランスが難しい)
③策定にとても時間とお金がかかる
藤沢市では、上記の課題を解決するための取り組みをしていました。
①指針の期間を、市長の任期と合わせる
②取り組む事業を絞り込み、重要・主要政策を整理する
③コンサルタントに頼らず職員が自作し、約4000万円の経費を削減
大きな計画は、「作ることに意義がある、作ったら満足」になりがちですが、本当に必要なのは、その先の「使える計画にすること」です。そのために、藤沢市は、全国一律の形式から抜け出したわけですが、とても勇気が要ったと思います。でも、「必要ならば既存のフォーマットから抜け出す姿勢」そのものが、難しい時代を生きる上で重要なことなのでしょうね。
稲沢市の計画作りは来年度中に完成予定です。私は審議会委員なので、上記の取り組み(特に①、②)を紹介しながら、市独自の策定法を模索してみます。
※番外編〜シティープロモーション〜
市の宣伝にも力を入れる藤沢市。目につくところに広報板があり、さらにエレベーターの壁面には広告を採用して、広告料収入を得ていました。おもしろい取り組み。
⒉東村山市〜公共施設の再生〜
こちらも稲沢のホットな話題。(関連記事:
)老朽化した公共施設をどうするか?です。
施設を更新するためにはたくさんのお金が必要ですが、高齢化・少子化により財政状況は厳しいです。全てを今のまま残すことは不可能で、取捨選択が必要となります。
東村山市では、「サービス(機能)を維持しながらハコ(建物)に依存しない施設へ再編する」を掲げて、以下のような取り組みをしていました。
①施設の余剰スペースに民間企業を誘致する手法を検討
(空きスペースに郵便局を誘致して証明書交付を委託、役所駐車場にコンビニを誘致、学校・保育所・文化ホール・ケアハウスを合体させる等の事例がある)
②タテ割りを超えて、公共施設をマネジメント
③市民と問題意識を共有するため、土日・昼夜を問わず出張講座を開催
同じプールでも施設によって担当課が違うなど、公共施設では特にタテ割りの弊害を感じます。結果的に、市内に貸し会議室が大量に存在したり、管理や事務作業が煩雑になったりという問題が生まれるため、包括的に管理する必要があります。東村山市の取り組み方は、稲沢市でも応用できる余地があるので、施策の提案に生かせそうです。
ちなみに、公共施設再生へ積極的に取り組む東村山市の公共施設面積は、市民一人当たり約1.65㎡です。稲沢市はというと、その倍近くにあたる約3㎡であり、専門家曰く3㎡を超えると危険なラインだそうです…。
その割に、危機感が薄いと言いますか、この認識の違いが、一番の衝撃かも…(東村山市は危機感があるから、住民説明も丁寧に時間と手間をかけて行なえているのかもしれない)
東村山市では他にも「株主総会」という事業をやっていました。内容は、市の現状や一年間の施策の成果を市民(株主)に伝え、その評価を市長などのボーナスに反映させるという斬新な取り組みでした。
こちらは先方の都合により視察は叶いませんでしたが、私が「聞きたかったー!」と連呼していたら、議会事務局の職員さんが手を打って下さり、資料を頂けました(^^)
全国には、色々な取り組みをしている自治体がありますね。
外に出てみると、それに気が付きます。
全国の事例を今以上に学んでいきたいと思いました。
ちなみに、東村山市の議長の名刺は、市公式キャラ「ひがっしー」をかたどっていました。私も、新しい名刺を今年中に作ろうと思っていたのですが、市の宣伝にもなるし、こういうタイプが欲しくなりました(変わった名刺を作れるところをご存知の方が見えましたら、教えてほしいです)
しち おう/志智 央
Mail:shichioh@gmail.com
Tel:090-4239-4726