稲沢市議会議員 しちおう ブログ

不登校を経て、作業療法士として病院に勤務、現在は稲沢市議会議員として活動する「しちおう」のブログです。

京都府京都市その2〜空き家を駆逐せよ”先進的な空き家対策”〜

稲沢市議会議員のしちおうです。

京都市の二つの目の視察項目は、空き家対策です。

(視察項目は一つであることがほとんどですが、どうせ行くなら最大限学びたい!と思い先進的に取り組んでいる空き家対策もリクエストしたところ、快く引き受けて下さった)

2.  空き家対策

京都市は空き家対策に積極的に取り組んでいて、全国的に注目されています。

取り組みの背景には、地域コミュニティが失われつつあることへの危機感があって、空き家を放置せずにすぐに新たな住み手を作ることで、地域の維持、活性化、歴史ある既存住宅の再活用・流通を目的としています。

 

現状の京都市の空き家率は、12.9%。全国平均の13.6%よりも低く、前年度と比較して8,300戸減りましたが、それはインバウンドによる空き家のホテル化が影響しており、平時からの対策を強化しています。

特徴的な取り組み

① ワンストップ窓口

20名体制の空き家対策専門の課が設けられており、ワンストップで相談対応している(ちなみに、稲沢市の場合、”地域環境”と”建築”で2課にまたがっている)

② おしかけ講座

地域の集まりに司法書士などの専門家と市職員を派遣し、説明会を行ったり、空き家の診断を行ったりしている

③ 管理不全の空き家に対して代執行(所有者の代わりに処分を行い、代金を請求する)を行う

④ 固定資産税の住宅用地特例の解除

 ここがポイント!

空き家を解体して更地にすると、固定資産税が4.3倍になります(空き家はたとえ住んでいなくても、住めなくても、住宅用地特例が適用されるため)つまり、更地にするよりも、空き家でいたままの方が得なのです。これが解体が進まない大きな原因となっています。

京都市では、この特例を外し、空き家の発生・継続を防いでいます。通知を送った相手の実に約7割が解体に応じ、約100件の実績がありました。

⑤ 新税の創設および課徴金の徴収

他にも、2026年度から固定資産税の約1.5倍かかる空き家新税・別荘税を開始予定

 

⑤ の特例解除は非常に参考になる内容でした。いま、国もこの京都市の取り組みを参考に、全国的に特例解除を推進する改正を検討しているようなので、稲沢市でも導入できる日がくるかもしれません。

ぼくは、1期目の時から空き家対策を取り上げていて、2019年12月議会のテーマにもしました。それは地域を歩いて空き家の多さに驚き、対策が急務であると感じたのと、空き家を放置せずすぐに新たな住み手を見つけることが、住宅を建てづらい稲沢市の重要な一手になると感じたからです。

自分たちの町を、自分たちの手で守っていけるように、これからも政策提言していきます。

 

以上、視察の報告でした。最後まで読んで下さって、ありがとうございました!!

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稲沢市議会議員 しち おう/志智 央
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京都府京都市その1〜住宅建設の可能性を広げる”市街化調整区域の規制緩和”〜

稲沢市議会議員のしちおうです。

視察レポートの二日目は、京都市です。

この日も朝から雪が降って大変でした…。

京都市の視察項目

1.  市街化調整区域の住宅建
2.  空き家対策

1.  市街化調整区域での住宅建

京都市は、 家を建てることができない区域(市街化調整区域といいます)において、ある一定の条件を満たせば住宅建設を可能にする条例を作りました。その主な条件とは、以下の通り。

・市街化区域から1kmの範囲内

・おおむね50以上の建築物が連なる

・町内全体の同意を得られている

目的は、既存の集落を維持すること、定住人口を確保することです。

本来であれば、市街化区域に家を建てることはできません。それを許せば、無秩序に家が建ち、上下水道や公共施設などのインフラ整備が必要になります。

しかし、すでに既存の集落があり、なおかつ市街化区域から近いところであれば、そういった心配もないため条件付きで許可しましょうということですね。

 

条例制定の背景は、市街化調整区域内の町内会から相談を受けたことでした。加えて、周辺自治体ですでに同条例が制定されていたことから、住民との度重なる話し合いを経て同条例の施行に至ったそうです。

 

実は、稲沢市もこの条例を最近作りました

稲沢市の約9割は市街化調整区域で住宅建設できる場所が極端に少ない)

じゃあ、何故わざわざ見にきたのかと言うと、以下の点などで違いがあり、その差を埋めることでより良い条例にして、稲沢市においても既存集落の維持・定住人口の確保に繋げたいと思ったからです。

稲沢市の条例と異なる点

・市街化区域から1kmの範囲内であること

・集落からの申し出が必要であること

 (合意形成が図られ、供給スピードが向上し、かつ町内で受け入れる体制が整えられ、移住者が入りやすいようになっている)

ケーススタディの実施

(どこに、どのような建物が建てられるか、またその時の住宅の値段などをシミュレーションして伝えた)

・町内会に出前講座をして、積極的にPRした

特にこのケーススタディの実施というのがすばらしくて、

「〇〇町内会では、A〜Cの土地にはこの条例が適用できて、Aでは新たに分譲住宅が、B〜Cには新たに自己居住用住宅の立地が可能ですよ」というシミュレーションをGoogleマップに落とし込んで見える化して伝えているんです。

これにより、住民が土地活用に関して具体的に想像できて、同条例の利用に繋がっています。

 

これは稲沢市でも大いに参考にして、同条例を施行している地域に対して積極的にPRし、住宅建設を後押しする必要があると感じました。この知識をぼくら議員だけで留めず、資料を担当課に渡して、情報共有してみます。


空き家対策に続きます。

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兵庫県伊丹市〜子育てを総合支援する”地域子育て支援拠点”〜

稲沢市議会議員のしちおうです。

稲沢市議会内の議員グループ(会派と言います)で他市町村の先進事例を学ぶ行政視察に出させて頂きました。ぼくの役割の一つが議員の仕事の見える化なので、どこに行き、なにを学んできたのかをお伝えします。

初日は兵庫県伊丹市です。

伊丹市の地域子育て支援拠点

伊丹市には子どもが遊んだり、保護者が相互交流できたりする拠点が8ヵ所あります。

イメージとしては、稲沢市に3ヵ所ある子育て支援センター(長野、明治、平和)ですね。

伊丹市では、これら常設の子育て支援施設に加え、公共施設に専門職の方が出かけて行う「地域のみんなの広場」や、公立幼稚園に出かけて行う「幼稚園のみんなのひろば」があります。

これが便利で、最寄りに子育て支援施設がない方も、子どもを遊ばせたり、他の子と交流できたり、保護者同士で繋がれたりしています。

 

他にも、⑴ オンライン相談、⑵ 多胎児支援にも取り組んでいます。

⑴ オンライン相談

コロナ禍で常設の広場に人数制限がかけられたため、補完的に開始。半年で90件の相談があ離、離乳食の相談(離乳食の柔らかさは、これでいいか?など)など、オンラインだからこそできる相談があるそうです。

⑵ 多胎児支援

2021年度〜多胎児の保護者が交流できる機会(ツインズひろば)を開始。妊婦の時から参加でき、多胎育児経験者の話も聞けます。

伊丹市では元々、当事者サークルがあったそうですが、子どもの成長とともに活動がなくなり、行政が担う必要性があると考えて始めたそう。

「本当にニーズはあるのだろうか?」と不安な気持ちもあったそうですが、毎回8組ほどが参加されて好評な様子でした。

一方で、平日日中の開催だと、保護者が一人で多胎児を見ていることが多く、子育て支援施設まで連れ出せない問題が発生。そのため、日曜日にも開催し始めたとのことでした。

 

これらの総合的な子育て支援パッケージによって、育児しやすい町を作っているんですね。

特に気になったのが、オンライン相談と多胎児支援のための講座開催です。これは、以前にぼくが議会で触れた取り組みになります。伊丹市で実際に取り組み、ニーズがあることが分かったので、改めて稲沢市での導入を提案していきたいと感じました。

(視察のあと、議場を見学させてもらったところ、親子傍聴席が…すばらしい!!)

 

二日目に続きます。

ちなみに、視察に出た日は雪の影響が大きく、新幹線も在来線も遅れに遅れて大変でした…

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