稲沢市議会議員のしちおうです。
先日、散髪に行ったのですが、美容師さんから振られる話がすべて新型コロナに関係することでした。
なんていったって、日本の、いや世界共通の話題ですからね。誰でも知っているし、身近なことだし、話しやすい。
ぼくが病院に勤めていた時、オリンピック期間中はオリンピックの話が、相撲の開催期間中は相撲の話が、患者さんとの話のネタになっていました。いまも病院にいたら、やはりこの話をしていただろうと思います。
もうすぐ、新型コロナが日本で蔓延してから1年になります。
一日たりとも新型コロナに関係する話題を見聞きしない日はありませんでしたね。
新型コロナ前と後でいろんなことが変わってしまったけれど、一番変わったのはコミュニケーションについてだと思います。
ある医師が、新型コロナの特徴として「多くの人の、”命”ではなく”距離や会話”を奪うウイルス」と言っていました。
新型コロナは飛沫感染するタイプのウィルスなので、予防のために喋ったり、大人数で会ったり、そもそも人と接触したりできない。人と人との距離や会話を、言い方を換えるとコミュニケーションを奪うんですよね。
なにか恐ろしいことが起きた時、人はコミュニケーションを求めます。近くに寄って、話したり、触れたり、そうすることで安心を得るわけですが、それができない。
東日本大震災の時にも「絆」などの言葉と共に、人とのコミュニケーションが強調されましたよね。でも、今回はそれができないのが一番痛いと感じます。
人と人との距離や会話が奪われると、人間関係が固定化されがちです。
会う人が学校の人だけ、職場の人だけ、家庭の人だけになって、人間関係が狭まっていく。いままでは家庭と学校あるいは職場以外にも第三、第四のコミュニティがあって、そこが逃げ場にもなっていたけど、それがしにくい。
だから、孤立しやすいし、既存の関係性が悪くなった時に逃げ場を失う。DVなどの被害も生まれやすい。
現実逃避でSNSに逃げ込んでも、新型コロナの話題ばかり。それも、対立したり、分断を煽ったり、とげとげしい言葉が並んでいる。気が休まらない。
日本の自殺者数は2019年まで10年連続で減少(人口減少で人の実数が減っているのも影響している)してきましたが、2020年の7月以降は昨年度比で増加傾向に転じました。まだ実数は出ていませんが、おそらく、2019年よりも増えると思われます。
コミュニケーションが奪われていることが、少なからず影響していると思います。
じゃあ、どうすればいいか。それが難しい。
本当に難しいのだけれど…コミュニケーションが奪われていること、人間関係が狭められていることをまずは自覚して、できる範囲で回復していくことが大切だろうと感じています。
家族や友人に「元気にしてる?」ってメールしたり、電話したり、手紙を書いたり、できる範囲でコミュニケーションを紡いでいく、狭められた人間関係を拡張していくことが必要なのではないかと思います。
取り留めもなく、ふだんのブログ以上の文章を書きましたけど、
これほどまでに人は人との関係性の中で生きている、を自覚させられた出来事はないと思います。新型コロナ前と後とで一番変わったことが、「コミュニケーションの大切さを改めて思って、人が人に優しくなれた」になると良いよね。
稲沢市議会議員 しち おう/志智 央
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