稲沢市議会議員 しちおう ブログ

不登校を経て、作業療法士として病院に勤務、現在は稲沢市議会議員として活動する「しちおう」のブログです。

試行錯誤の先へ〜石川県加賀市の議会改革〜

稲沢市議会のしちおうです。

外部からは見えづらい視察を可視化するレポートの第二弾は、

石川県加賀市の「議会改革」です。

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概要

加賀市は、早稲田大学マニフェスト研究所が出す議会改革度調査で、全国1,318議会のうち第4位!政令市・中核市を除く一般市では第1位となっている先進地です。

 

ちなみに稲沢市は議会改革度ランキング400番台です…。

 

加賀市の取り組みが始まったのは、平成22年。議会が目指す姿を規定する「議会基本条例の制定」からであり、そこから毎年、新たな課題へ挑戦しています。まとめると、ざっとこんな感じ。

加賀市の議会改革 年表

平成23年

議会報告会(毎年度開催し、現在は2年で市内全地域を回る)、政務活動費の全面公開、市民主役条例の制定、小学生の議会傍聴、子ども議会・女性議会の開催

平成24年

ポイ捨て等防止条例の制定(市民の要望を受けて提案)

平成25年

事務局職員の増員と政策法務担当を配置、市民アンケートの実施

平成26年:政策提言(人口減少対策、空き家対策)、大学院と連携協定を締結

平成27年:地域医療を守る条例の制定(新病院のオープンに向けて提案)、Facebook の開設、タブレット端末を導入、インターネットライブ中継を開始

平成28年:市内高校との意見交換会、大学院インターンシップの受け入れ

平成29年:災害対策基本条例の制定、いじめから子どもを守る条例の制定

平成30年:ケーブルテレビ広報番組の放送、議会おでかけ教室(小・中学校)の開始 

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背景

加賀市議会の改革が進んだ背景には、改革推進派の議員が大会派(多数決で優位に立てる大人数の議員グループ)に登場したことと、改革への取り組みが早稲田大学マニフェスト研究所の調査によって可視化されたことがあります。

改革前に863位であったランキングが、改革を始めた翌年には43位、さらにその翌年には19位と、目に見えて成果が表れた。つまり、取り組みのフィードバックが得られて、成功体験に繋がったんですね。

また、議会のライブ中継や議会モニター制度(市民に議会や広報誌の様子を見てもらって、意見をもらう)などを通して市民に開かれた議会を目指すことで、「市民に常に見られている」ことによる議員の意識改革も要因の一つだと感じました。

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これが、とても大切で!

市民の監視の目によって議員の姿勢は変わる。逆に、それがなければ、議会は腐敗していくのです。ぼくは、「情報は公開が原則」を訴えて、改革が進まない稲沢市議会でも、情報公開を進め、市民の目を入れ、議員一人一人の意識を変えていきたいです。

 

 

議会にできることは実はたくさんあって、今はまだその権限を活用できていないだけなんですよね。

①市民の税金が適切に使われているか監視する

②市役所側が出してきた案が市民の幸福に繋がるのかどうか審議する

③もっと良い町を目指して政策提案する

以上のような議会の本来の役割を取り戻し、風土として根付くように、議会改革を進めていきたいという思いを改めて強くしました。

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ちなみに、改革が進む加賀市議会でも「日曜議会を開いたが、人が来なかった」など、思うような成果を得られないこともたくさんあったようです。しかし、諦めなかった。失敗を失敗のままで終わらせないように、試行錯誤した。こういう姿勢が大切ですし、市政に真摯に向き合うことに繋がっているのだろうと思いました。

 

稲沢市議会もこうでありたい。そのために変えていきたい。

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稲沢市議会議員 しち おう/志智 央
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