稲沢市議会議員 しちおう ブログ

不登校を経て、作業療法士として病院に勤務、現在は稲沢市議会議員として活動する「しちおう」のブログです。

稲沢市の人事制度改革が始まる!?

前回の続きで、6月議会の登壇を軽いノリで振り返ります。 

 

② 人事制度改革 

⑴ 人事異動

  • (しち)人事異動は、誰が、どのような目的で行なってんの?

 (行政) 退職者の補充、新陳代謝や業務の効率的な遂行が目的。
市民病院の医療職を除いた、すべての職員を人事課が担当している。

 

  • (しち)市民病院の医療職を除いても、1000人くらいの職員を人事課だけで把握するのは大変だよね…どんな流れでやってるの?

(行政)
① 異動日の2年前の1月に、各部署から今後5年の事業計画と必要な職員数が提出。
ヒアリング後、各部署の概ねの配置人数を決定。
③ 4月、退職者の数から新規採用職員の職種と人数を決める。
④ 11月、新規採用職員の内定通知。
⑤ 11月、職員から異動の希望を募り、希望者とヒアリング。
⑥ 12月、各部署に配置予定人員が伝える。
⑦ その後、調整を経て、3月に内示。

 

  • (しち)⑤で職員の希望を聞いてるけど、なぜこの部署に異動になったか、なぜこの部署に異動できないのかの説明はあるの?

(行政) ⑦の内示の時に幹部が集まり、市長から説明を受ける。
その内容は文書で職員に周知するが、人事課から個々職員に対して説明することは無い。

 

  • (しち)「希望は聞くけど、結果の説明はない」を続けていたら、職員は「どうせ希望出しても意味ないわ」ってならないかな?

    もちろん、異動の理由が説明されなくても、いつか役に立つと自分なりに考えて、与えられた仕事に打ち込むと思うよ。でも、心のどこかでは「なぜ?またすぐに異動になるのかな?」と疑問を持っているんじゃないかな。

    研修で知り合った他市の職員は、そうならないように、「今回あなたは希望通りの異動が叶わないけれど、今の職場でこれとこれを学べば今後に生きる」とか、「あなたがこの部署に来たのはこの役割を期待されているからだ」などと伝えているみたい。

    こうやって説明できるのは、部下のことをよく見ているからだと思うし、本人だけでなく、上司の人材育成としても、フォローアップに努めてよね。

 

⑵ 人材育成

  • (しち)愛知県豊田市は、人材育成を戦略的に行なっていて、とても参考になるよ。担当部署に話を聞いてみたから紹介するね。

    まず、豊田市には100以上の所属を、窓口部門、事業・企画部門、管理部門の3つの業種に分けて、35歳までにそれらの経験を積むことを目標に配置転換を行なっているんだ。
    採用から概ね10年間、職場を定期的に異動(ジョブ・ローテーション)して、基礎を固め、その後に、幅広く知識・能力を持つ職員を目指すのか、専門的な知識と能力を持つ職員を目指すのか、自分で選べるそうだよ。

    こんな風に、異動を戦略的に行なっている市役所と、異動が不明瞭でキャリアデザインが描きにくい市役所とでは、どちらが発展していくかは明らかだよね。
    稲沢市でも、取り組んでみたら?

(行政)同じことをするには様々な課題がある。ただ、豊田市も当初からスムーズにジョブローテーションが機能したわけではなく、課題を一つ一つクリアし進めていったということなので、本市も若手職員から導入したいと考えている。

 

  • (しち)キタ!前向きに考えてくれて、ありがとう。

    他にも、職員の主体性を伸ばすために「係長・課長への昇進試験」を設けている自治体もあるよ。稲沢市ではどうかな?

(行政)昇進試験は、既に導入している自治体の中でも、希望者が少なく、廃止や見直しを検討しているところもある。導入は、慎重に検討しなければならないと考えている。

 

  •  (しち)昇進試験の希望者が少ない制度に不備があるのか、それとも昇任したくない人しかいない組織に問題があるのか、どちらなのだろう?

    昇進試験を廃止した自治体は、言い方を変えれば、ポストに望んでまで就きたくないと考えていて、その嫌な役回りを年功序列で仕方なく回しているってことだよね。その現実から目を反らして、制度のせいにしていたら、組織は一向に良くならないんじゃないかな。

    豊田市役所の昇任試験は、課長職で63人の応募、その内23人が合格。係長職では201人が応募、その内35人が合格してる。彼らは、能力があればポストに挑戦できるという可能性によって、働く意識が変わった面もあると思うんだ。
    稲沢市でも、段階を踏んで昇任試験を導入することを考えてよ。

 

⑶ 職員採用  

  • (しち)今の採用方法は、求める公務員像に近い人材を選ぶことに重きが置かれていて、多様な人材の確保には結び付かないんじゃないかな。採用の段階から今の稲沢市に足りない人材、必要な人材を明確にした上で、採用試験を行う必要があるよ。

    豊田市は「自己アピール採用試験」として、教養試験等のペーパーテストを撤廃し、自己アピール、プレゼン、質問の受け答えを見て、職員を採用する枠を設けてる。
    取り組みの背景には、「知識はあるが、言われたことをやるだけのタイプが多い」という市役所内の不満なんだ。稲沢市と一緒だね。

    ちなみに、この制度は平成14年開始で、当初の採用は2〜3名だったけど、今では新規採用の半分ほどをこの枠で採用しているんだ。それだけ多様で優秀な人材を取れることに繋がったということだよね。

    稲沢市でも採用方法の見直しが必要じゃない?

(行政) 現在はオーソドックスな採用方法のみだが、今後はまず応募者が少ない技術職で、社会人枠の設置や一般教養試験から専門試験への切り替えなど試験方法の見直しから取り組めればと考えている。

 

  • (しち)キタキタ!
    市役所は変えていくことに対する抵抗が強いけど、それは挑戦することを評価する風土が無いからだと思う。今回の取り組みを通して、挑戦を評価する社風を作り上げていくキッカケにしよう。

 

以上が今回の報告になります。

(しつこいようですが、実際には丁寧な言葉でやり取りしています

 

今回も当たり前に行なわれている課題に光を当てて、改善への働きかけが出来ました。

特に、ジョブローテーションと採用方法の改善は大きな一歩だと思います。

議会はまだ続くので、気を抜かずにこれからも頑張りますね。

 

長い文章を最後まで読んで下さって、ありがとうございました!!

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しち おう/志智 央

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