ある日、家のドアノブに袋がかかっていた。
なんだろう?と中をのぞくと、おいしそうなパンが入っていた。
病院に勤めていた時に担当していた患者さんが、おすそ分けをしてくれたのだ。
(しかも、手作り!)
僕は、引っ越しだったり、ひきこもって学校に行かなかったりした影響で、実家の周りには知り合いがいない。でも、今住んでいる場所には。ホカホカのパンが届く距離感に僕のことを知ってくれている人がいる。
会おうと思えば、すぐに会える距離にいるって、とても素敵なことだと思う。
その土地のことを好きになる理由は、いくつかある。
好きな景色があったり、好きなお店があったり。
それ以外にも、誰かがいてくれることも、街の魅力なのだろうと感じる。
なんだか人からの貰い物で生活している気もするけど(ありがたいこと!)、
パンを食べて、締め切りに追われている仕事を頑張ります。