文教厚生委員会の視察に出ました。
扱うテーマは、委員会の所轄部署に準じ、今回は子育て・教育です。
1日目に神奈川県厚木市の幼稚園送迎ステーションについて、2日目は同県伊勢原市の教育モデル推進事業を勉強しに行きました。
(天気が良く、富士山が見えました。写真が下手で支柱が完全に被ってますが…)
会場の駅前施設 アミューあつぎ
厚木市では幼稚園児を対象に、駅前施設 アミューあつぎ内にある託児室を中継場所として、各園への送迎サービスを実施しています。
駅を利用される働く子育て家庭の支援を図ると共に、保育所に偏りがちな児童を幼稚園を誘導することで待機児童解消を図っているそうです。
朝、ステーションで預かり、指定の幼稚園へ送り、夕方に迎えに行ってから夜まで預かるという形で、保育士1名、補助員1名が常駐されているそうです。仕事で駅を利用しながら、子どもを朝〜夜まで預かって貰えるのは便利。
また、駅前施設(アミューあつぎ)は、PARCO跡地を市が買い取り、周囲にあった市の機能を集約させたそうで、託児室、送迎ステーション以外にも、屋内広場、授乳室&オムツ替え室、子育て支援センター「もみじの手」なども併設されていました。
視察の際も、多くのお子さん、保護者の方が見えました。
土日には仕事が休みのお父さんが参加される姿もあるそうです。
(屋内広場 安全に子どもが遊べ、子どもや保護者の交流の場所にもなっている)
稲沢市は駅周囲に若い世代が増え、保育園、小学校が局地的に定員を超えています。
一方、その他の地域は定員を割れ、今後も減る予測です。
厚木市では待機児童を解消するために、保育園に入れない子どもを幼稚園へ誘導する目的で上記事業が行なわれていましたが、稲沢市の場合は、子どもの集中を防ぐ(市全体で子どもを見る)、かつ働きながらでも子育てしやすい環境作りを目的に利用出来ると良いと感じました。
以上の事業外に勉強になったのは、厚木市の子育てにかける想いです。
子育て環境日本一を掲げ、医療費の助成や紙おむつなどの支給、子育てパスポート、赤ちゃんの駅(厚木市:厚木市赤ちゃんの駅「ベビリア -Baby-area- 」)など支援が手厚いのです。
子どもに関わる部署が、こども育成課、こども家庭課、保育課など合計5つの課に分かれているのもその一端と言えます。
出先でオムツを替えたり、授乳出来る場所がないという困りごとに、具体的に取り組みを行なうなど、痒い所に手が届き、かつ柔軟な発想が多いと感じました。
それらの案がどのようにして生まれたのか質問したところ、「子育てコミュニティトーク」と称して、関係者や市民の方から意見を吸い上げる努力をされているそうです。
問題解決の答えは、市民の声の中にあり、聞く耳を持つことで策は生まれるのかもしれません。いずれにせよ、「子育て環境日本一」など、市が明確に今後の方向性を示すことは大事ですね。困難でも、将来を考えた上で必要な方向へ舵を切ることで、具体的なアイデアが生まれてくるのだと感じました。
2日目。
前夜に食べたラーメンで胃がもたれつつ、伊勢原市へ。
伊勢原市には大山小学校と言う、1クラス6〜8名程、全校生徒43名の学校があります。
本来であれば統廃合が考えられる規模ですが、少人数であることを逆手にとり、一人一人が役割を持ち、主役となれるような特色のある授業作りを進めているとのこと。
特にグローバル人材の育成を目標とし、地域を知る勉強(ふるさとの自然体験・伝統文化の学習)を進めつつも、英語教育の充実(特例措置として、生活科や総合的な学習の時間を英語に充てている)を図っているそうです。
全校生徒が一教室に集まって英語を学ぶ姿は、少人数ならではと思いました。
また、専門家や地域の人材を活用した家庭支援(先生が応対出来ないケースや範囲外のケースに専門家がアプローチ)や、まなびの教室(コミュニケーションが上手くいかないなど必要性がある子どもに個別的・専門的な指導を行なう)などの事業も展開されており、勉強になりました。
話の中で一番印象に残ったのは、雑談の中で職員の方が呟かれた「子どもが少ない分、友達付き合いが深く、仲良い友達が出来る」という言葉です。
子どもにとって学校で出会う人はとても強い影響を及ぼします。
「一生ものの仲の良い友達が出来る」そのこと自体が大きな魅力であり、大山小学校の財産なのではないかと感じました。「何を学ぶか」を考える必要がありますが、それ以上に「誰と学ぶか」が大事なのかもしれません。
以上が視察の報告となります。
現場はその場だけでなく地域を含めて見る必要があると感じました。
事務局側が用意してくれた資料を事前に読み込んでいた分、質問もたくさん出来て、勉強にもなりました。
費用対効果の面や、移動時間の割に視察の時間が少ないことなどは今後の課題ですね。