稲沢市議会議員 しちおう ブログ

不登校を経て、作業療法士として病院に勤務、現在は稲沢市議会議員として活動する「しちおう」のブログです。

2019 愛知県知事選挙のまとめ。

稲沢市議のしちおうです。

1月17日から愛知県知事選挙が始まりました。

投開票日は2月7日。長丁場の戦いになりますが、盛り上がりは今ひとつ

愛知県政は稲沢市も直接関係があるので、今日は各候補についてまとめます。

 

立候補者の顔ぶれ。

立候補したのは、現職の大村秀章さんと、新人の榑松佐一さん。

現職vs新人の一騎打ちの構図となっています。

f:id:shichioh:20190122103651p:plain

大村秀章さん。58歳。現職2期。自民・立民・国民・公明推薦。

f:id:shichioh:20190122103710p:plain

榑松佐一さん。62歳。新人。共産推薦。

 

主要政策と争点。

大村さんの主要政策は、

リニア中央新幹線による名古屋駅の再開発によって、高速道路や鉄道の利便性を増やしていくこと。

②ロボット・AI、ICT、スタートアップ支援などの産業集積地を目指すこと。

③人への投資として、貧困家庭への支援や障がい者雇用、認知症対策含めた健康長寿を目指すことなどが挙げられています。

 

一方、榑松さんの主要政策は人への投資を最優先に、

①子ども・若者へは、子ども医療費の対象拡大、少人数学級の拡大、学校施設の拡充。

②働く世代には、県が受注する事業に関する賃金アップ、女性への均等待遇、外国人労働者の支援。

③高齢者には、介護保険料の値下げなどが挙げられています。

 

争点として考えられるのは、大型の開発事業の是非です。

大村さんは、リニア中央新幹線の開業を見据えて、道路や港などのインフラ整備、さらには中部国際空港に2本目の滑走路を整備することを訴えています。

一方、榑松さんは、大型開発は中止を含めて見直し、教育・医療・福祉を最優先にすると主張しています。

 

→詳しく知りたい方は、選挙公報と各氏HPを参照。

選挙公報。

大村ひであき公式WEBサイト

榑松佐一 県知事選挙 特設ページ

 

投票率

個人的に気になっているのは、投票率です。

前回も今回と同様、現職vs新人の一騎打ちで過去2番目に低い34.93%の投票率

今回は過去最低の32.38%をも下回ることが予想されています。

 

愛知県選挙管理委員会も特設ページを設けて広報していますが、なかなか…

愛知県知事選挙

 

盛り上がりに欠ける要因は、現職に大きな失点がなく、争点への関心も低いこと。

加えて、現職が圧倒的に有利と言われる首長選挙で番狂わせが起きにくいことです。

 

その気持ちもとてもよく理解できる。理解できるのだけど、

たとえ勝敗の行方が分かっていたとしても、そうでなかったとしても、

自分の頭で考え、自分の意志で票を投じることに価値があるのだと僕は思います。

 

 

この記事が愛知県知事選挙の投票で迷っている人に届き、

「まぁ、行ってみるか」と思うキッカケになると嬉しいです!

f:id:shichioh:20190122111302p:plain

しち おう/志智 央
Facebookhttps://fb.com/shichioh
Twitterhttps://twitter.com/shichi_oh
phone:090-4239-4726
mail:shichioh@gmail.com

 

高校の主権者教育の授業に参加させてもらった話。

稲沢市議のしちおうです。

先日、名古屋市立工業高校の主権者教育の授業に外部講師として呼んで頂きました。

主権者教育に携わることが夢の一つでもあったので、とても嬉しかったです!

 

授業では、愛知県内の若手議員(日進市議の大橋祐介さん、犬山市議の久世高裕さん、そして僕)がファシリテーターとして参加。「もし名古屋市で高校生議会が開かれたら、市長に何を提案し、実現に向けてどんな質問をするか?」をテーマにグループディスカッション、そして発表を行いました。

 

僕のグループでは、「通学時に使う駐輪場の値段を安くして欲しい」、「学校のトイレに和式が多く、冬場は寒い」という身近な課題や、「父親が病気になった時に金銭的に困ったから、福祉や貧困に力を入れて欲しい」など実体験に伴った意見が出ていました。

 

最終的には、「駐輪場の値段を無料にして欲しい」と提案。

市長から「予算が足りない、無料化に伴うデメリットもある」と指摘されることを想定し、「せめて貧困家庭は学割を導入したり、地球温暖化対策や健康へ寄与した分を財源に回したりする」などの反論も考えました。

 

 

彼らの真剣に話し合う姿。他者の意見を聞く姿勢。

日常の中に潜む疑問や課題を見付けて言葉にするセンス。

どれも素晴らしかったです。反対にこちらが勉強になることばかりでした。

 

 

また、主権者教育の授業に議員を呼んで、身近な疑問をぶつけたり、アドバイスを受けながら考えをまとめたりする今回の授業は前例の殆どない取り組みだったと思います。

その分、苦労も多かったと思いますが、先進的な取り組みに果敢に挑戦されて「できることを示した」先生と生徒、名古屋市教育委員会にも感謝です。ありがとうございました!

 

 

さらに、この時の様子が、中日新聞の県内版に掲載されました。

若い時から普通に政治や議員と接点が持てるのは大切なことですよね。

こういう動きが今回のアクションをキッカケに全国に広がって欲しいです。

僕もまたどこかでこんな風に主権者教育に関われると良いなぁ。

f:id:shichioh:20190122112819j:plain

しち おう/志智 央
Facebookhttps://fb.com/shichioh
Twitterhttps://twitter.com/shichi_oh
phone:090-4239-4726
mail:shichioh@gmail.com

沖縄県民投票への不参加が他人事ではないという話。

稲沢市議のしちおうです。

2月に沖縄県で県民投票があります。

米軍の普天間飛行場宜野湾市)を、辺野古(名護市)へ移設する賛否を問うものですが、県内の5市(宜野湾、宮古島、うるま、石垣、沖縄)が不参加を表明。

有権者の3割が投票できない事態になっています。

  

何か大変なことになっているみたいですが、

僕も含め「よく分からない」という方もいると思うので、整理してみましょう。

 f:id:shichioh:20190118173142j:plain

 

そもそも、県民投票(住民投票)ってなに?

どこの住民であっても、有権者の1/50の署名を集めれば、自治体に対して条例制定の請求が可能です(地方自治法74条)簡単に言うと、一定数の民意があれば、「〇〇という決まりを作って欲しい」と住民が自治体にお願い出来る制度があるというわけです。 

 

沖縄県有権者数は約115万人。

つまり、住民投票に必要な数は、1/50の約2万3000人。

そして、実際の署名は、必要数の4倍、約10万筆が集まりました。

 

これを受けて、沖縄県は、議会に移設の賛否を問う県民投票条例の案を提示。

過半数の議員が賛成し、投票の実施へ向けて動き出しました。

 

(ちなみに、過去の住民投票の例には、原発建設や市町村合併の賛否等があります)


なぜ市町村が投票を拒めるの?その理由は?

沖縄県だけで全ての県民の投票を行なえないので、

投票の事務作業は、各市町村へ必要経費の全額を配り、お願いします。

この時、規則によって、市町村は、入ってくるお金と出るお金を議会へ報告します。

 

【選挙に際して県から入るお金(収入)→選挙に際して市が使うお金(支出)】

 

本来であれば、過半数の議員で賛成され、各市町村で投票が行なわれるはずですが、

上述した5市では反対が多数のために、ストップ

市長は議会で止められても押し通す術を持っていますが、断念しました。

 

理由としては、賛否二択を問う方式では「多様な民意を反映できない」、

「県民投票を行なってどのような結果が出たとしても、何も変わらない」などでした。


県民の権利を、市町村が奪うことはできるの?

憲法学者の一人は、「特定の市に住んでいることを理由に投票の機会を奪うのは、法の下の平等に反する憲法違反の行為」と話しています。

f:id:shichioh:20190118173250j:plain

 

「投票」という尊い権利 

ここからは私見ですが、

移設して良いか悪いかの二者択一で結論を出すのは確かに難しいと思う。

思うけど、投票する権利を奪うのは何人たりともやってはならないとそれ以上に思う。

 

今回の出来事を自分の立場に置き換えると、

愛知県内に米軍の基地が作られる→賛否を問う住民投票が行なわれる→

しかし、稲沢市議会で予算案が否決→県民投票に稲沢市民だけが全員参加できない

うん。これは、ヤバイ。

 

住民投票に法的拘束力はありませんが、県民の民意として扱われます。

しかし、そこには自分の意見は含まれておらず、結果は受け入れなければならない。

そんなの嫌ですよね。

自分の意志を表明する機会を他者に奪われるなんて嫌だ。

今回の行為は市長や議員の職権を大きく超えて、住民の権利を著しく損ねています。

 

 
ちなみに、選挙が始まった愛知県知事選挙も、予算は自治体の議会で承認しています。

沖縄の例が認められると、最悪の場合は市長・議会の意思次第で、選挙も止められるってことになりかねないんじゃないかな?

 


みなさんは、どう思いますか?

「自分が住む街ではないから」で終わらせずに、自分の意思を示す権利について考えることを通して、改めて沖縄のことを考えてみたいですね。

f:id:shichioh:20190118173314j:plain

写真は沖縄へ行った際のもの。海が綺麗だった。そして、僕は若かった。

 

しち おう/志智 央
Facebookhttps://fb.com/shichioh
Twitterhttps://twitter.com/shichi_oh
phone:090-4239-4726
mail:shichioh@gmail.com