今日は、一般の方の人生において全く関係のない「選挙出馬」に関するお話です。
「選挙ってお金かかるんでしょう?」とよく聞かれるのですが、ぶっちゃけものすごくかかります。一体いくらかかるのでしょうか?選挙にかかる費用は、基本的には対象となる有権者の数に比例して増えます。たとえば、国会議員を決める選挙で数千万円、市長選で一千万円、市議選では数百万円と言われます(個人差もありますので、おおざっぱな目安です)
しちおうが選挙でかかった費用はズバリ…
私は、市議会議員選挙に立候補して、約150万円(+供託金30万円)かかりました。
※供託金:立候補するにあたり、法律で決められているエントリー料。選挙により異なり、一定の得票数がないと没収される。
内訳としては、選挙事務所の賃貸料、水道・電気・ガス、電話やネットなどの費用、選挙カーの費用、ウグイス嬢の人件費、選挙看板費、名刺などの印刷物などです(選挙カーや人件費、印刷費の一部は公費負担があります)
この中で一番お金がかかるのは選挙事務所の賃貸料でして、駅前だったり、交通量が多かったり、駐車場が広かったりすると、場所によっては100万円以上かかることもあります。選挙期間1ヶ月足らずの契約なので、足下を見られて高くなる傾向もあり、自宅を事務所として扱う方も多いようです。
高額な選挙費用が、若者の出馬を遠ざけている?
私のかけたお金は、一般的な選挙と比べると安い分類だと思います。看板を手作りするなど、若者が選挙に普通に出られる先例となるための先例となるべく低コストでの実施を心懸けたからです。しかし、それでも、100万円以上かかりました。
それだけのお金をかけて、しかも仕事を辞めて、チャレンジできる人って、そうそういないと思います。特殊な世界すぎて、選挙の仕方も分からないし、大金をかけても当選するかは分からない。当選したとしても、4年後にはまた選挙があります。そんな不安定な任期付き職員である議員に、若者がチャレンジできるのか…よほどの想いがある人か、そういう環境にある人以外は無理でしょう。
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ですから、(良い悪いは別にして)定年退職後の人や、別の収入源を持つ人、政党の人、議員の子ばかりの議会になるのです。全国、どこでもそうです。これはもう制度の問題だと思います。
「お金が必要だから売名行為目的の人を防げる」という意見も聞きますが、選挙に出る手続きって猛烈にめんどうだし、個人情報も公開されるので、かけるコストの割に大した売名にはならない。
だいたい、売名目的の候補者を見極めるのは有権者の役割なので、任せておけば良いのです。
これからの選挙。
人口減少社会の中で、定数割れ、候補者がいない議会は、今後増えていきます。
高知県大川村では議会を廃止し、全員の話し合いで決める「村総会」を設ける動きや、長野県喬木村で休日や夜間に議会を開く動きもあります。
私は、議員になってからの話しよりも、なる前の取っ掛かりを変えないといけないと考えています。有能な人材を集めるためにも、間口を広げることが一番です。
議会は、市民の中から代表者を選ぶ作業。多様性が最も求められる場所ですし、若者、女性含め、さまざまな人が出られる制度への転換が必要だと感じます。
ちなみに、以上の問題点は、選挙に出ないと分からないマイノリティーな話です。そのため議論になることはありませんし、現環境で勝ち上がった議員がそのルールを決めていることも、変革を遠ざけている一因なのかもしれませんね。
しち おう/志智 央
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