稲沢市議会議員 しちおう ブログ

不登校を経て、作業療法士として病院に勤務、現在は稲沢市議会議員として活動する「しちおう」のブログです。

ワークライフバランス。

議会での登壇を終えました。

今回も友人や、担当していた患者さん、以前に仕事でお世話になった方などが見に来てくれました。市外から来て下さる方や、今回は叶わなかったですが、県外から来ることを検討して下さった方もいて、とても嬉しかったです。

見守ってくれる人がいるだけで、準備も、発表も、頑張ることができます。

本当にありがとうございました!(また来てね/笑)

 

 

今回のテーマ:ワークライフバランス

10年ほど前から登場したこの言葉。「私生活よりも仕事が大事」という価値観から、仕事は暮らしを支える重要な要素だけど、「充実した生活には家庭や地域生活も大事」という認識への転換を表しています。

仕事をしなければ経済的に困窮する、逆に人生の大半を仕事に費やしては心身の健康や家庭が損なわれてしまう。これらを両立するに、仕事と生活のバランスを整える必要がある、ということです。

 

なぜ、このテーマにしたのか。

仕事と生活のバランスを整えたり、働き方を改革したりすることは、単なる労働の問題や心身の健康といった個人の問題に留まりません。少子化など社会に与える影響が大きいとても重要な論点であり、職員や医療従事者、保育士、教員、彼らのやりがいに依存せずに、必要な対策を講じる必要を感じて、テーマに選びました。

 

答弁の概要。

過労死ライン(時間外労働時間が月80時間を超える)の職員は、一般職で約30人。教員は、中学校156人中、50%を超え、医師の最長時間は126時間と判明しました。サービス残業を抜いた、記録上の数字でこの状態で、常態化もしていました。


(ちなみに、月100時間の残業をシュミレーションすると、9時から勤務し、23時に終了。これを平日は毎日続ける計算となります…壮絶ですよね…)
 
 
医師の場合、この状態で生死に関わる手術を行ないます。私は、過労死が危惧される医師に自分や家族の手術を任せられませんし、教員に子どもを預けることもはばかられます。

 

私は、彼らの仕事に対する姿勢や想いを否定しているわけではありません。これだけの時間を割いて、患者や子どものために働ける医師や看護師、教員、保育士は素晴らしい方です、尊敬しています。その方が、健康で、長く勤め上げられるシステムに転換することが、結果的に市民サービスに繋がると信じているために、敢えて書いています。

 

 

「この働き方が、教育や医療の質を担保している」と言うけれど、誰かの負担の上に成り立つシステムが、本当に上質で、維持できるのか?私たちが目指す行政や教育、医療の形は、もっと違うものではないのか?

 

実際の成功例を紐解きながら、今回の質問を契機に変えようと呼びかけました。
 


結果。

稲沢市でやれることを調査し、改善策を前向きに考えてくれることになりました。

管理職の労働時間調査、教員の総労働時間の把握、会議が円滑に行なえる手法の導入、ワークライフバランスに取り組む企業の宣伝、部活動の負担軽減策の導入(過重労働となっている教員の全てが部活顧問をしていたため、部活の補助員を、スポーツ課に仲介してもらうことで集める)などなど。実現に向けて動き出しました。

 

 
また、テーマを決めてから、「家族が教員で…」、「友人が保育士で…」など、いろんな人から、議題にしてくれて嬉しい、頑張って、と声をかけて頂き、やって良かったと思いました。働くことは、みなさんの関心が高く、とても重要なテーマですね。

 

今回で終わりにせず、1年後に取り組みがどう変わったか、残業は減ったか、など、この問題は継続して扱っていこうと思います。最後に、傍聴に来て下さった方がコメントを下さったので紹介しますね。

 

稲沢市議 しちおうさんの一般質問を聞きに稲沢市議会へ】

テーマは「ワークライフバランスと働き方改善」

残業や、過重な労働が、個人の生活に影響を与えていて、それが少子化に繋がっているというところ、それを市の職員、医師、看護師、保育士、教師のそれぞれの実情を挙げて、数字で具体的に説明してくださるあたり、わかりやすいし、着眼点が素晴らしいなと思った。

 

1.25倍の時間外手当をつけて残業をする内容に、それだけの価値はあるのか、その分を減らして、本当に必要な公共事業に当てた方が良いのではないか。

 

新人の研修医の残業時間は100時間越えになる。(9時〜23時の勤務時間が毎日続く)命を預かる仕事で学びの多い大切な時期だが、自殺者も出ている事実もあるということ。

 

保育士は、打ち合わせ、行事準備など園児のいない間の時間がかかってしまう。現場の声と、担当者との間に温度差があるような感じがしました。

 

教師には、時間外手当が出ない。部活顧問の負担軽減策など。

 

いつも、きっかけをありがとうございます。

1階の喫茶店、ランチやすい!

 

・登壇者(敬称略)

6月14日:六鹿、しち、渡辺(ち)、網倉

6月15日:加藤、木全、長屋、津田

6月16日:魚住、渡辺(幸)、服部(礼)

明日以降も一般質問続きます。投票した人がお見えだったら、是非、見に来て下さいね!一階食堂のランチもオススメです(笑)−詳しい日程と発言要旨はこちら−

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“市民サービスの質”という、実態の見えないもの。

「働く」ということは、人々の身近にあるようで、議会で長時間労働をテーマに扱う、と発信してから、色々な人から意見を頂きます。ありがたいです。その中で、多くの人が「必要なことがあるから残業しているわけで、減らしようがない。減らしたら保育・医療・教育の質、市民サービスの質が下がる、苦情が来る」と言います。


二点について考えてみます。

 

①市民サービスって、具体的には何?

彼らの言う市民サービスと、私の思う市民サービスはおそらく違う。みなさんとも違う。「良いものっぽい」気はするけど、ぼんやりしていて、実態が掴めない。彼らはその言葉を追い、いつの間にかその言葉に追われているようだった。

 

たとえば、教員の譲れないラインはどこにあって、大事にしたいことは何なのか?市民の要望とどこが重なり合い、どこで異なるのか?

明確にし、取捨選択しないと、事業は膨れ上がる一方で、誰かが自分の時間を削って対応するしかなくなる。

  

②過労死するほど働かなければ持続できないサービスは破綻していない?

今は、誰かの犠牲の上にサービスが成り立っている状態で、いつかダメになる時が来る。

どこまでやっても、何をやっても、不満は出る。だから、約8時間という制限時間(労働時間)の中で、達成できるゴール、サービス提供者と受給者との最大公約数を探す必要がある。やらないことを決めるのは勇気がいるけど、それが一番必要なのだと感じる。

 


現場で働く職員、保育士、医師、看護師、教員らは、本当に一生懸命で、尊敬している。彼らが頑張っちゃう人だからこそ、上の人たちが、ルールを用いて、制限しなきゃならない。

 


仮に、長時間労働削減に取り組んで、市民サービスが低下したと苦情が入ったら、しちって議員が議会で追求してきたから…と全部、私のせいにしてほしい。こちらも、それくらいの責任を負う覚悟で言う必要があると思う。

だから、なんとか、変えるための取り組みを始めてほしい。一般質問まで、あと二日。

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一般質問の日時:6月14日 10時~11時30分くらい
場所:稲沢市役所4階 議場

市役所の残業代は、年間何億円?

私の友人が、長時間労働で心身の調子を崩したことがある。

「頼まれれば、無理をしてでもやってしまう」、「人が喜ぶ顔を見られるのならば、自分のことは犠牲にしてしまう」、そんな性格の人たちだからだ。逆に、企業はそれに付け入って、彼らの時間と健康を奪っていた。

 

企業からすれば、代わりはいくらでもいるということらしい。私にとっての彼らは、代えが効かないから、そういう行為をした企業を、未だに、根に持っている(今は二人とも、元気に違う仕事をしており、ホッとしています)

 

その頃から、長時間労働について考えている。病院で、身体と心と生活を扱う仕事をしてきて、ワークライフバランスが崩れがちな医療職と接してきたから余計だと思う。

 

そんな思いを引っさげて、来週、議会で登壇します。

テーマは、長時間労働対策です。

「市役所の残業費は年間◯億円?」、「遅くまで残っている部署はどこの部署?」、「過労死ライン(月80時間以上の残業)を超える職員は◯名?」などを明確にしながら、長時間労働が与える影響が、個人の心身や生活だけでなく、社会にも及ぶ、と話す予定です(過重労働が、晩婚化や子どもの出生率低下、つまり少子化に拍車をかける根拠となる研究データが出ています)

 


もちろん、一般職だけでなく、保育士、市民病院の医師や看護師、教員にも触れます。そして、行政発信で民間まで影響を及ぼすことを目標にしています。「働き方を変える」キッカケの日となるよう頑張ります。タイトルの答えも議場で明らかになりますので、是非、応援に来て下さいね(^^)

 

日時:6月14日
時間:10時~11時30分くらい
場所:稲沢市役所4階 議場

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しち おう/志智 央
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