稲沢市議会議員 しちおう ブログ

不登校を経て、作業療法士として病院に勤務、現在は稲沢市議会議員として活動する「しちおう」のブログです。

しちツアー終わりました〜議会登壇〜

本日、議会での登壇(一般質問→市政全般に対する質疑応答)を終えました!

SNSで、遠回しに「寂しいから来ておくれ…」と告知したところ、6名の方が傍聴に来て下さり、とても嬉しかったです。ありがとうございました(^^)

 

今回取り扱ったテーマは、①地域で生まれてから死ぬまで生活し続けるための仕組み作り(地域包括ケアシステムとも言います)と、②見えない病気や障害のある方への理解を深める取り組み、でした。どんなことを話したか、簡単にまとめます。

 

 

地域包括ケアシステム

「生まれから死ぬまで、自分の住む地域で生活し続けたい」という思いは、誰しもが抱くと思います。しかしながら、平均寿命と健康寿命との差が約10年ある日本では、それを実現することが難しく、多くの人が、誰かの手を借りないといけません。

たとえ、誰かの手を借りたとしても、家や地域で暮らすための仕組みを作る。それが、最近の日本の動向であり、各地が知恵を絞って取り組んでいます。稲沢市も、その一環である病棟(地域包括ケア病棟)が市民病院内にできました。

 

地域包括ケア病棟は、簡単に言うと、急性期を脱した患者さんが在宅復帰の準備をするための病棟です。医師や退院支援に特化した看護師(リンクナース)らが関わり、“退院”をゴールとするのではなく、その後の“生活”にまで目を向けた支援をしています。

 

一方で、退院後の生活を支援する受け皿は、まだまだ未整備。病院と地域の医療・介護スタッフ、施設、行政が別々に活動していて、連携が不充分であることが課題でした。

 

関係者間の連携

約1年前からその課題は指摘していて、来年度より、連携を円滑にするため、インターネットを用いて情報交換する“ICTシステム”の導入が検討されています。

ICTシステム…患者さんの情報を、インターネット上で共有。関係者であれば、いつでも、どこでも患者さんの情報をパソコンやタブレット端末で見たり、書き込めたりできる。

 

私は、それ自体には賛成なのですが、選考のプロセスで気になる点がありました。1つは、システム選考に関係者の意見が反映されなかったこと、2つ目は、市が抱える課題と向き合う前にシステムが導入されたこと(似たシステムの運用がうまくいかないまま、次のシステム導入が検討された)

 

以上の2点については、説明と改善を要望。関係者の意見を聞くこと自体が連携の始まりであること、失敗を次に生かすために現事業の再評価が必要と話しました。また、質問の中で、担当課と病院との連携がとれていなかったり、他市との広域連携や他課への波及が想定されていなかったりも分かったので、その点も追及させてもらいました。

 

入院後に訪れる現実〜退院までの期限〜

前述した地域包括ケア病棟の入院期間は、原則60日以内ですが、

障害により、入院前の体ではなくなってしまった患者さんにとって、元の生活に戻れるかは不安です。家族も、家で見られるか、介護できるのか、とても不安に感じています。しかし、短い時間の中で、その後の生活について選択せねばなりません。

早期退院が促される中で忘れがちですが、体と生活のケアだけでなく、心のケアが非常に重要です。事実、脳卒中後には、うつ病の発症率が約4割と非常に高いのですが、心の不調がその後の生活の質に直接的に繋がる研究結果が出ています。

 

私は病院勤めの時から、この問題がずっと気がかりでした。

本人と家族が自信を持って家に帰れるように、“体だけでなく、心と生活のケアも必要”ということを、問題提起させてもらいました。

 

見えない病気や障害を視る〜ヘルプマーク〜

最後は、以前にも紹介した「ヘルプマーク」の導入についてです。

考案した東京都福祉保健局と電話でやり取りしたところ、なんと実物を送ってくれました! 

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議会で実物を映しながら、解説。

結論から言うと、ヘルプマークの導入は、残念ながら不可。

ただ、目には見えない病気や障害があること、そして対応が必要であることは来年度の職員研修に組み込んでもらえることとなりました。また、緊急時に相手の情報が分かる「救命カード」のような物は消防署が導入してくれることになりました。

 

おわりに

今回は、「一つの部署がダメでも、他の課にあたってみる!」を意識して取り組みました。結果的に前に進んだこともあったので、今後も継続してみます。また、質問に際して、東京都福祉保健局、市民病院や近隣の病院、社会福祉協議会など、いろんな人に直接お話を伺い、それが大変勉強になりました。この場を借りて、お礼申し上げます。

今後も、現場に足を運ぶことを重視して、取り組んでいきます。

 

最後に、傍聴の感想コーナー(感想下さった方、ありがとうございます!)

 

初めて傍聴したが、おもしろかった。専門的で難しい言葉は、お年寄りには分からないため、説明が必要。国会と違い、話題が身近に感じられた。

 

ICTシステム導入の理由の1つが、国や県からの補助金があることが含まれていたり、導入することに決めたシステムを選定した根拠についても他自治体の導入率が8割だったためと福祉保健部長が答弁され、稲沢市に適したものを採用、開発、改良するつもりが全くないことが分かった。医療従事者の希望が全く反映されておらず、使い勝手が悪く形骸化してしまわないか心配。初めての市議会の傍聴で、市の福祉に対する考え方が厳しいものであることを知り、少しずつでもいいので困っている市民の声が部長クラスの人たちまで届くようになるといいなと思った。

 

しち おう/志智 央
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もうひとつの卒業式

今日は中学校の卒業式。
 
たくさんの子どもが泣いていて、「私も別れがつらくて泣いたっけ、あの時は純粋だったなぁ…」と回想したかったのだけど、そういえば、私、不登校で卒業式出ていなかったです。

 

 

冒頭、本日出席した中学校にも、不登校の子がいくらかいると伝えられました。

彼らは、今頃、何をしているのだろう?と、空いた席を見ながら考えていました。

 

卒業を、学校で迎えようが、自宅で迎えようが、別にどちらでも良い。

ただ、卒業おめでとう、という言葉は彼らに向けても言いたい。

 

おめでたいとは思えないかもしれないけど、

おめでとうを受け取れるような未来が訪れることを願って、おめでとう。

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優しさと助け合いのしるし〜ヘルプマーク〜

病院で勤務していた時に出会ったたくさんの人たち。

 

杖を持っていたり、ギプスをはめていたり、車椅子に乗っていたり、

何らか事情を抱えていて、そうでない人と比べると、困った出来事に出くわしやすい。

 

それは、段差であったり、満員電車であったりするのだけど、

周りからの配慮が得られる時もあれば、得られない時もある。

 

多くの人は、高齢であること、杖を持っていること、ギプスをはめていることから、

周りの人が優しさを持ち寄って助けてくれたりするのだけど、いつもじゃない。

 

そして、必ずしも困りごとが目に見えるわけでもない。

中には、目には見えない病気や障害を抱えている人もいる。

 

心臓の病気、腎臓の透析の後、がん、発達障害高次脳機能障害、難病。

目には見えないけど、体がつらかったり、できないことがあったりする。

周りからの配慮があれば、外出できたり、仕事ができたりするのだけど、

見た目には分かりづらいから、周りが助けたくても助けられなかったりする。

 

 

そんな時にどうすれば良いのだろう、ってずっと考えていました。

目には見えなくても、何らかの助けを必要としている人がいて、見た目に表れているか否か関係なく、手を差し伸べられる社会になるにはどうすれば良いのか。3月議会の一般質問のテーマとして、扱うことにしました。

 

 

具体的に変えられるアイデアとして、以下の二点を考えています。①昨年施行の障害者差別解消法には、「目には見えづらい病気や障害に対する配慮」が明記されていないので、理解と周知を図る。②目には見えづらい病気や障害を可視化する「ヘルプマーク」の導入。

 

ヘルプマークは、マタニティマークのように、援助を必要としていることを周りへ伝えるものです。鞄などに付けて持ち運べ、電車やバスの優先席を譲るなどの配慮を促します。東京オリンピックパラリンピックに向け、東京都が考案し、他県へ波及している最中です。

ヘルプマーク 東京都福祉保健局

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他には、住み慣れた地域で生まれから死ぬまで生活し続けていくための仕組み作り(地域包括ケアシステムと呼ばれます)に触れます。病院完結型の医療から、地域完結型の医療への変換へ向けて、市民病院や行政として何ができるのかを、病院に勤めていた経験から話していきます。是非、聞きに来て下さい!

 

■しちおうの一般質問予定

日時:3月7日(火) 10時10〜30分頃より、40分ほど登壇予定(前後の予定により多少変動)

場所:市役所4階 傍聴受付

 

■3月議会 一般質問登壇者 (敬称略)

3月7日:東野、志智、渡辺(幸)、遠藤

3月8日:大津、木村、渡辺(ち)、加藤

3月9日:吉川、服部(礼)、平野

 

各議員の発言の概要

 

市役所1階に食堂がありまして、かつ定食とかつカレーがとてもおいしいです。午前中にしちの一般質問を聞いて、その後に食堂でランチして帰る「しちツアー」なんていかがですか?

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